ジャンル :ドラマテックAVG ブランド :(株)アルコエンターテイメント 発売日 :2001年 2月 2日 対応OS :Windows98、Windows Me、Windows2000 価格 :8800円(税別)
最近、AVG離れというか AVG疲れなのでしょうか、画面下にメッセージが表示され、読み進め行くゲームが、あまり乗り気にならないのですよ~。オートプレイもあるので、操作もほとんど必要ないのに……。最近のゲームは長いですしね。
マリオカートなどのストーリー性のないゲームは問題なく楽しんでいるので、操作のないゲームに飽きてきたのかな?
このおかえりっ! も名作と聞いて、2016年に入手していたのですが 最近ようやくクリアできました。
主人公が生まれ故郷である姫神島(ひめかみじま)に、教育実習生として帰ってきたところからゲームスタートです。
近代化して産業を誘致し、島を整備したい改革派と、外部の資本を入れたら島の生活が変わると考える守旧派。静かに対立が深まってるのです。
ストーリーに関しては、情報なしで遊ぶのが一番ですよ~(と言いつつ、だいぶ紹介していますが)。ふるさとの島を舞台としたドラマにプラスして、恋物語があるのがポイントです。
おかえりっ! には、他にもたくさんのキャラクターが登場します。ここで紹介していない、エンディングのあるヒロインキャラクターもいますので、wikipedia、攻略ファンサイトなどで調べてみてくださいませ。
主人公。幼い頃姫神島で暮らしていたが、訳あって引っ越すことに。大学3年生(20歳)になり、小学校の教育実習(期間は約一か月)のため、東京から姫神島に戻って来た。
本人はまだまだ未熟と思っているようですが、さすが成人の主人公です。おじさんの不正疑惑・島の人々の争いを止めるために、何か出来ることがあるんだろうかと、他人任せではなくしっかりした考えをもっており、安心してプレイできました。
先生自身が学んだこととして「人を信じる気もち、困っている人に親切にしようとする気もち。家族や友だちを大切に思う気もちだけはずっと無くさないでいて下さい」と子どもたちに語るシーンは何度見ても感動します。
主人公の幼馴染。曲がったことが大嫌いな明るく元気な高校3年生。連絡船で本土の高校に通っている。主人公が島に滞在する間の宿である「民宿しのはら」の娘でもある。
「人を目覚まし時計がわりに使っといて、注文なんかするわけ?」
セーラー服っていいなぁ(*^^*) しかも、セーラー服の上にエプロンも装備してくれます。
子供の頃の回想立ち絵からは 別人にように成長していますので、覚えないのも無理ないのかな。(船着き場に)迎えに来てくれたの? と聞かれて「違うなんて言ったら、こいつ また怒り出すだろうなぁ。 といって、そうだよ と言うのも なんだか悔しいような」 なんて考えている主人公。
美人になった、可愛くなって見間違えたと思っているのですから、言ってあげればいいのに。
お互い気になっているのに、二人とも照れてなかなか進展しないので、見ていてもどかしくなります。
秋祭りに渚を誘うのに、断られたどうしようとドキドキしている主人公と、どうしようかなと、思っちゃったと答える渚のシーンが好きですね。秘密のつもりが、上機嫌ですっかり緑にばれているところが可愛いですね~。
お母さんの形見の浴衣姿の話から、おばさん(渚の母さん)から聞いた昔話につながります。最後まで渚を信じることができるか。隠し事を続けると、本当に大事な事まで どこかにまぎれて見えなくなってしまう。こんなに渚が好きなのに、なんでこう、言葉が思うように……こんなに好きなのに……
自然とストーリーに のめりこんでしまいエンディングまで一気にプレイしちゃいました。
諸々の事情により学校には行っていない。姫神島では由緒ある旧家の娘。先のことを見通せたり、動物や木々と心を通わせたりする不思議な力を持っている。
「お、おうっ。わかっ、たぜー」
主人公は、森に迷って偶然、動物と一緒にいる澪と出会います。外の方とは、あまり交わらない事。それが昔からのしきたりと、巫女としての役目に縛られているヒロインです。実は以前にも会っているのですけれどね。
展望台で、渚や緑と仲良くなったり、一緒に夕飯の支度をたたり、缶ケリしたりと普通に遊んでいる普通の日常が一生の思い出というのは、寂しすぎます。
島民のほとんどは、この島の暮らしが澪に支えられているって知らない。すべての負担を負わせていいんだろうか? と葛藤し、澪の母親にしっかり自分の意見を言う。そして澪自身が、母親に思いを話すまでに心境を変化させた主人公が本当に恰好いいです。問題が解決したあとの二人のシーンがもっと見たかったかな。
……えむでいって、何ですの? 今の時代の方も、同じことを思っているかも。
親の都合で都会から姫神島に転校してきた性格のきつい娘。田舎暮らしが嫌なので、島民全てに反抗的である。
「あたしって、やっぱりイヤな子かなあ……」
都会に帰りたがっている、おしゃれに気を使っているギャル。根は素直で優しい子なのですが、最初はバカ死ねとかなりキツイことを言ってきますので、どこまで耐えられるかがポイントですね。
主人公は、いくら嫌われていても城跡に通います。「こんなふうにマメにチョコチョコ会ってりゃ、そのうち仲良くなれるとか考えてんでしょ?」……少しぐらいワガママなの普通だって。17歳の女の子なんだから とおおらかな気持ちで接しましょう。
じゃあ、なんでわたしといるわけ? と照れるあたりから可愛く思えてきますよ。近くにいながらメールでやりとりするユー・ガット・メール的な展開も、もどかしくて先の展開が気になりますよね。終盤は萌え萌えしたキャラになりますので、今ではそこのセーブデータから遊んでニヤニヤしています。
晶と光のいがみあいがあったりしますが、最後には(別エンディングでも)島に溶け込み、ばあちゃんと仲良く農作物の手伝いもしていることが語られるので、やっぱりいい子ですわ~。手伝い時、どんなに汚れても おしゃれな恰好だけは譲れないというのも、晶らしいですね。
島のはずれの海辺に父親と二人暮らしで、共に宝探しに明け暮れている。毎日、穴掘りか晩のおかずの為に魚取りをしている。ろくに読み書きは出来ないが泳ぎは達人。
「これからも、ウチのセンセでいてくれるか?」
おかえりっ! はギャルゲーにありがちなわざとらしさがない地味な作品と言われているなか、一番ファンタジー寄りなヒロインでしょうね。野生児のような女の子で、出会いはびっくりしましたが、はっきりした性格で安心感があります。豪快に料理するシーンが好きですね。
それでいて、スタイル抜群! 渚が「これだけ印象が強ければ東京に行っても光ちゃんの事を忘れないよね」と気を利かせてくれて、いろいろな写真が送られてくると、もう島に戻るしかないですよね。
どのルートでも、守旧派と改革派は仲直りするのですが、光ルートが一番いい展開かも。島の端で暮らしていた光ちゃんも、積極的に島民と交流していますし、光の父ちゃんが注目を浴びるようになったのが嬉しいです。三島先生と父ちゃんの交流も気になるところです。
姫神島の小学校と中学校の看護教諭。島の診療所の医者も兼ねている。
「私も、いいかげん、しっかりしなくちゃね」
おかえりっ! の中では一番の年上ヒロイン(27歳)で、渚の憧れの人でもあります。
医大を卒業。しっかりしたお姉さんキャラクターで、空手の腕もなかなかのもの。でも、空想の弟をつくっていた とか言われても困るのですが……私の中ではかなり評価の低いヒロインです。
ギャルゲーやエロゲーの数をこなしていると、最初の時点でいやな予感がすること間違いなし。予想通りの展開になっちゃいました。なぜ、あのエンディングにつながるのか少し疑問です。
波美先生が立ち直ったとしても、それで恋人同士になるかは別問題ですからね~。
以下、主人公の教え子たち
主人公は教師として一日の半分近くを小学生で過ごしているため、おかえりっ! はメインヒロインよりも、小学生組のほうが魅力的に思える困ったゲームです。
小学4年生。渚の妹。お茶目で姉思い。
「いいの! あたしにとっては、洋平先生は洋平先生なの!」
渚と競争するように、朝起こしに来てくれます。お姉ちゃんがいない時は、わたしが先生の保護者なんだから と言われてしまうのも情けないような気もしますが、洋平先生と、元気な女の子に懐かれる日常っていいですね~。
そりゃ、気前よく奢ってあげたくなるものです。なんといっても。くまいもとこさんの声が素晴らしいのです。笑い声をずっと聞いていたくなるほどです。
(亜紀ちゃんの)繊細な神経、緑にもちょっと分けてやりたいくらいだ。と主人公は言っていますが、渚と違って、思い立ったらすぐ行動するところはびっくりしますよ。
緑のエンディングはちょっと特殊ですが、過去のしがらみを捨てた二人だけの生活というのも悪くないなと思います。明るい性格そのままに、こんなに美人になるなんてびっくり。
小学4年生。閉じこもりがちな女の子。
「……みんなお花は好きみたい。洋平先生も好きって言ってた」
洋平は渚のことを「夕焼けの空から降り立った女神みたい…」と思っていますが、亜紀ちゃんこそが、本当の女神様です。
純粋で優しい心の持ち主で、お花や、屋台での人形エピソードでの会話を聞くと誰でも抱きしめたくなることでしょう。普段おとなしいだけに、海で楽しそうに遊んでいるシーンは、こちらも嬉しくなってずっと見守っていきたいと思いますよ。
例のがけ崩れは、いろいろなキャラクターに関係しており悲しいのですが、元気に育ってほしいですね。
あるルートのエンディングで、高校生くらいになった亜紀が登場しますが、お茶目な話し方とスタイル良く成長しており、本当に魅力的なんですよ。なんで、亜紀ちゃんエンドがないんだ~!!
小学5年生。澪の親戚で彼女の身の回りの世話をしている利発な女の子。
「あの……その時には、私もいろんな事を相談していいですか?」
なんたる貫禄。小学生にして、大人たちを統率しています。子猫を守る親猫みたいという表現がありましたが、見た目が可愛いので、お持ち帰りしたくなりますよ。
「おまえだって、何年かしたら美人になるよ」と思っていることをそのまま伝える主人公と、照れる摩耶ちゃんが最高です。最初はなにかと対立していましたが、こちらの思いが通じ洋平と協力するシーンがお気に入りです。横にいるだけで本当に心強いのです、小学生なのに。
性格がきついことは、自分でも気にしているようで、そのことを話す摩耶ちゃんが可愛いのですよ。「可愛げのない生徒の気まぐれだと思ってください」と協力してくれるシーンも萌え。
そうそう、あるルートでは、朝に起こしに来てくれます。そっけないところがまた可愛い。朝、目を開けたら摩耶ちゃんが見ていたという、のぞきこむようなシーンにCGが欲しかったかな(渚と緑のような)。
付き合うことになったら、やっぱり摩耶ちゃんが主導権を握るんだろうなぁ~。でもそれも楽しそうだなぁ~。なんで、摩耶ちゃんエンドがないんだ~!! 若干十七歳で、新しい姫神家の当主になった摩耶ちゃんのCGも見てみたいものです。
昔の島は変わっていないように見えますが、島であった崖崩れがいろいろなところに影響しているのですよ。
崖崩れで奥さんを亡くされた渚のお父さん。波美先生や亜紀ちゃんも……そして、島民全体のリーダである姫神家は何もできなかった。そりゃあ、天災だから何もできなくて当然だと思いますが、儀式に失敗していること、地盤をコンクリートで補強しておけば崖崩れを防げた というところも対立の原因になっているのです。
どのルートにいっても謎が残されており、何人かのエンディングを見てく行くと話が見えてくるというバランスの良い構成になっています。
また、メインテーマともいえる、亡き王女のためのパヴァーヌが効果的でしたね。これまでは、同級生恋愛専科(ラジオドラマ)で流れていた曲という認識しかなかったのですが、
体調の悪い母が窓際に座って、この曲を聴きながらじっと眼を閉じて、もの想いにふけっていた事がある。なんとなく声をかけづらくて、その姿をじっと見ていた。夕暮れ時にお袋は何を思っていたんだろう。
……と、おふくろが好きだった曲という情景もあり泣きそうになりますよ。
ここまで触れませんでしたが、ヒロインにはバッドエンドもありまして、本当にバッドなので心を強くもってプレイしましょう。
なんだか懐かしくて愛おしい おかえりっ、夕凪色のこの島へ
マニュアルに書いてあるキャッチコピーがしっくりくる、名作でした。素朴な島っていいなぁ……と謎の郷愁感が湧き出て、仕事中にも 遠き山に日は落ちての音楽が脳内で再生していました。なんだが世界に浸っていたくなり、結局全エンディング、CGを埋めてフルコンプリートしちゃいました。
最初にAVG疲れ、とか書きましたが、
……という軽い気持ちで始めるのが良いという結論になりました。面白ければ、自然とのめり込むことがわかったのが収穫でした。
以下、プレイ中のメモです。
島に、天界の姫が舞い降りて、 ひとりの若い漁師と出会い、 一途な、激しい恋に落ちた。 天の住人と地上の若者、 異なる世界に生きる二人の想いは、 島を揺るがすほどに、熱く燃え上がった。 けれど、やがて漁師が他の娘に心を移し、 天界の娘は、悲しみのあまり、海に身を投げ、 それを知った漁師は激しく後悔し、 自分もまた、姫の後を追った。 姫と漁師が身を投げた崖には、 二人を悼むように、美しい青い花が咲き、 そして人々は、二人の悲しい物語を忘れることなく、 子どもたちへ、またその子どもたちへと語り伝え、 今も、島には二人の伝説が残っている。 伝説は、やがて他の島々にも広がり、 いつからともなく、 人は、この地をこう呼ぶようになった。 姫神島、と。
月詠みの、潮の神来、たどる道、弓張る秋の、星の間に間に 月のきれいな夜に、海の上を、船で神来島に渡っていく 情景を描いた歌
神来島→甲羅島 姫神島→月読島 甲羅の中から姫様があらわれた。 姫様は島の人間たちに、災害を予言したり魚群の位置を教えたりして、 また甲羅の中の自分のお城に帰っていった
アルコエンターテイメントさんのページはなくなりましたが、名和桜 ((旧)りぺあパッチライブラリ) 様 のWebページに掲載されています。
http://nawa.sakura.ne.jp/
2020/04/17追記:
名和桜様のWebページにアクセスできないため、ファイルを置いておきます。
====> update.zip (1029KB)
なんとか、Windows10(64ビット版)でも動いています。
・セーブしたはずなのに、セーブ・ロード画面が空白になっている。
→ セーブ・ロード画面は3ページ分あるので、一度 違うページを表示させてから、 元のページに戻ると、データがきちんと表示されます。
・メッセージウィンドウに文字が表示されないことがある
→ Configで、画面効果が「地味」だと処理が早すぎる? ので 画面効果を「派手」にする。
・メッセージウインドウを「×」で消すと、再度メッセージウインドウが表示されない。
→ 画面を最大化(フルスクリーン)にすると、メッセージウインドウが表示される。
・セリフをしゃべらないシーンがある。
→ 不明。もともとフルボイスじゃないのかな?
・行先選択のMAP画面で、セーブ・ロードできない。
→ 不明。これもPC版の仕様なのかも。毎日の放課後にレポートを提出して、先生が「ごくろう様」と 言ったところでセーブするのが良いと思います。
・アルバム鑑賞モードでマウスが反応しなくなるときがある。
→ Ctrlキーを押す。