粉雪のストロベリージャム For Zaurus 2000年 11月 26日 フリーソフト ジャンル:ヴィジュアルノベル 制作者 :うつつ 様 (Adventure Game System For Zaurus) 株式会社ソア・システムズ 様(ル・クローンMobile Agent) いちせ@やぎぱぶ 様 (シナリオ・挿絵)(HP)
今回の 粉雪のストロベリージャムは、Palm、Newton、Pocket PC(WindowsCE)、ザウルスといった携帯情報端末(PDA)で遊べるAVGとして、公開されていました。
今のスマホみたいに、自分で好きなアプリを追加できるのがPDAの楽しみの一つでした(ザウルスの場合MOREソフトと呼ばれていた)。
少なかったノベルゲーム しかもフリーソフトということで、PDA関係のニュース兼日記サイトを巡回していた ゲーム好きの方ならプレイしたのではないでしょうか。
1994年 大学時代に作った自主制作アニメ(http://www2e.biglobe.ne.jp/ichise/work/konayuki.html)が原作だそうです。
高校受験を控えてちょっと憂鬱な冬。クリスマスの日から始まり約二か月弱の出来事なのですが、ゲームとしては短編に分類されると思います。
主人公(ユミ)は女の子で 男の私が遊ぶと変な感じがしますが、"文房具くらいは、かわいいものでまとめたいよね"とか、雪を"空からふわふわコットンボール"と表現するのが、可愛らしくて自然と引き込まれました。
心情豊かでありながら、演出は抑え気味なんですよ。最後のセリフも「うん」と頷くだけ。
ギャルゲーで、なぜか 途中でヒロイン視点が挟まり、主人公が知らない悩み事が描かれるゲームもありますよね。私の場合、主人公以外の内面は分からないのは当然のことで、ルール違反……と考えるような古い人間ですので、ひろ君側にも告白の返事などいろいろ葛藤があったんだなと想像させられるところが気に入っています。
タイトルの意味については、別のエンディングで明らかになるのですが、語らずにおきましょう。
全員 中学3年生です。
このころは長期出張が多く ホテル住まいでした。当時のホテルって、照明が暗いのが当たり前だったのですよ。
で、当時持っていたザウルスは、ザウルス アイゲッティと言われていた モノクロ液晶モデル(MI-P10)でバックライトもなかったのです。
家族と離れて一人寂しいなぁと思っていたとき、薄暗いホテルの部屋でベッドに寝そべりながら、モノクロ画面のノベルゲームにのめり込む没入感。すっかり「粉雪のストロベリージャム」の世界に入り込んでしまいました。
これが、リリースが一年あとだったり、Windows用ノベルゲームだったら出会わなかったかも知れず、不思議な縁を感じます。