古い街並みを歩くと、すぐに耕三寺博物館が見えてきた。未来心の丘にが見たかったので、横の坂をぐるっと回ると、山の上に白い建物が見えた。やはり有料ゾーンは外から見せてくれない。まあこれで満足したので、続いて平山郁夫美術館へ。近くで見ると、少しぼやけているようで、グラデーションがかかったいる感じだが、夕焼けや水が美しく、月の絵も多くて、本当に綺麗だった。じっくり眺めて、絵はがきを買って出る。
目の前の瀬戸田観光案内所で、サイクリングの受付をしていたので、ここから、サイクリングスタート。予定では、大山祗神社まで行って、また戻ってこようと思っていたが、これは無謀な計画のようだった。
やっぱり自転車は(徒歩とくらべて)速いや。サンセットビーチを快走。天気もいいし、南国気分で快適だった。多々羅大橋の下をくぐると、シトラスパークへの坂道が見えてきた。ここから急な坂が続くらしいので気合いを入れるが…な、なんですか?ここって自転車での訪問を考えていないのでは?
こんな急な坂上れるかー!今日一日の体力を使い果たして、坂の最初でダウン。自動販売機の所で休憩するが、足よりも腰が痛くて、もうあきらめようと思っていた。そこに通りすがりのトラックに乗った方から、「しまなみ海道か?がんばって」とみかん(かんきつ?)を戴いた。めちゃ感動。種は多かったが、とてもおいしくて、30分くらい休憩して、意地でも行ってやると、自転車を押しながら、急な坂を上っていった。ずいぶん坂を上ったのに、あと1キロの表示には泣きそうになったが、最後の500メートルは下り坂で助かった。なんとか、シトラスパークに到着。早速、かんきつ生ジュースを飲む。おいしい~。景色も良いし来て良かったよ。
ちょうどスタンプラリーをしていたので、スタンプを押しながら一周する。中でも香りの館では「森」「海」など、さまざまな香りを体験できるし、焚香展示など、日本の香り文化もあって、とても落ち着ける場所。ぐるっと回るだけでも一時間かかる広さで、とても気に入った。あの坂さえなければ…帰りは、最初の500メートルを上ったらあとは下り! いままで苦労して自転車を押したところを一瞬で通り抜けるのは気持ちいい。ブレーキを使わないと、どこまでもスピードが上がって行く。すっかり元気になって多々羅橋にチャレンジ。ちゃんとサイクリング用の休憩場所付きのゆるやかな坂が用意してあって(シトラスパークへの道とは大違い)楽々、多々羅橋をクリア(通行料\100-)
鯉のぼりがたくさん並ぶ中、多々羅しまなみ公園を通って、井口港へ。ここまでは下りで楽々。ここから、宮浦港までは、山を一つ越えるのでまた覚悟が必要。だが、道路と離れた場所に、小川に沿って自転車専用の緩やかな道があり快適だった。道を分けてまで、本格的なサイクリングコースがあるのはすごいと思う。もう体力がない中、助かった。
登り切ると、あとは下り。ここでまた苦労が報われるぞ。すぐ大山祗神社は見えてきた。自転車を止めて、隣の大三島美術館へ。ここでは、田渕俊夫・伊藤彬の襖絵展をしている。とても大きな絵が多く、迫力がある。なのに細やかな描写で、どのくらいの期間かかるのか、よく一人で描いたなと感心。うん、来て良かった。
その後、ずーっとフェリー乗り場まで行き、ここで自転車を返そうと思ったら、よく見ると、返却場所は途中で見た、道の駅「しまなみの駅 御島(みしま)」だったのだ。ひー、また坂を上ってようやく、自転車を返却(乗り捨て)した。もう、歩けない。宮浦港から、さっさと帰ろうと行き先を見ると、宇治方面しかない。うーん、大三島バスターミナルからバスで帰るか…いや、井口港に賭けてみよう。といっても、バスまで30分も待ち時間があるので、日本一長い浮き浅橋を見る…が10分もかからない。堤防のところに座っているとなにやら小さな赤い虫が大量にいた。うーん気持ち悪いよ。
ようやく、大三島バスターミナル方面のバスが来たので乗る。途中小学生がいっぱい乗ってきたが、「お願いします」というだけで、そのまま降りられるようだ。ともかく井口港で降りると、ありました、三原港行きが一日四便(\1,250-)。本当に小舟で、部屋もなく、外にいすが着いているものだった。乗客は私一人。風が直接当たって気持ちいい。これでカモメさんがいれば完璧なのだが。よく揺れるが、それでも朝出発した三原港に戻ってこれた。島はいいなぁと思うが、交通を予め調べておかないと、怖いかも。
三原からは、新幹線で福山まで。今日の宿はドリームイン福山。うう、駅から遠いぞ。でも部屋は広いし、洗面台は別にあるし、ベッドも大きく、一泊 \5,250-では充分すぎる内容だった。さすが旅の窓口。どうやら明日は雨らしい。
起きると、雨が降っていた。BS2でクラシックの四季の演奏をしていたのでぼーっと見てしまう。その後、無料の朝食(菓子パンいっぱい)とコーヒーを飲んで出かける。また新幹線で三原駅まで。やっぱり新幹線はいいなぁ。
三原港から10時55分の大長港行きに乗る。一日四便。今日は帰ってこれないかも…。一時間かけて、到着。港から20分くらい歩くと、御手洗に到着した。雨が強くなってきている。江戸の小屋を見て、潮待ち館の通りに入ると…昔の街並みがそのまま残っている。…と知っていても実際見ると感動した。火事が大敵なんだろうな。お歯黒事件の若胡子屋跡や遊女の墓を見る。ここは、遊郭の街で100人以上の遊女を抱えていたと聞くと、あまりに古い街並みがそのまま残っているので、まだ霊がいるようで、怖くなってくる。でもこの街並みはずっと残ってほしいものだ。
大長港から午後2時の船で木江に行く。ここも古い街が残っているとのこと。いやー、ここもすごいや。旅館の看板がそのまま残っていたり、木造5階建ての家があったり、昔にタイムスリップしたような気分になる。
倉庫になった映画館などひととおり散歩したあと、目指すは、きのえ温泉だ。2キロ?なんて余裕ですな。てくてく歩くと、途中で船の形をした「ふれあい郷土資料館」があったので寄っていく。木の船を造るのは職人芸だったのだなぁ。何種類もの、のこぎりが展示されていた。また生活交流館として、昔のレコードなどが残っている。最上階は、操舵体験室になっている。雨なのが残念だ。晴れていれば遠くまで見渡せていただろうな。
坂を上ると清風館が見えてきた。そこで待っていたのは、100段をこえる階段だった。なにもそんな上の方に建てなくても…ともかく宿に泊まらなくても\1,000-で入浴できるのだ。中は露天風呂で、島々をながめることができとても良いところだった。やっぱり雨なのが残念。お湯は海のように塩辛くて、疲れた足がひりひりするが、それも良し。温泉ですっかりいい気持ちになったけど、結局また2キロを雨に濡れながら帰った。天満港からは、一日4便の三原港行きに間に合ってほっと一息。三原駅からはまた新幹線で福山まで行き、昨日と同じホテルに泊まる。
今日は近場の鞆の浦に行くことにした。雨はほとんど気にならないくらい。片道\510-だが、周遊きっぷなら無料。とりあえず、沼名前神社にお参り。ささやき橋は小さすぎてびっくり。そのまま魚の里まで歩いて、お土産にかまぼこを買う。続いていろは丸記念館。小さいところであっという間に見終わってしまうが、坂本竜馬の隠れ部屋は雰囲気ばっちり。人形と一緒に写真が撮れるようになっている。
そろそろお昼なので、鞆港より仙酔島に渡る。景色は綺麗だが、演歌が流れるのはちょっと…。国民宿舎で「鯛づくし」を注文。鯛の刺身に頭煮。鯛めしに、お吸い物。茶碗蒸しなど、本当に鯛づくし。とてもおいしかった。
結局尾道には寄らなかったが、島めぐりの旅はとても楽しめた。潮の香りがずっとする中、交通手段が船だけの素朴な生活。島もいいなぁ。
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