仕事場から直接上野駅に向い、弁当を買いこみ乗車。行きは、〔寝台特急北斗星3号〕。まだ、バスの結果がわかる前から、買っていたのだが、(払い戻しすればいいやと思って)それでもB寝台。うーん、やっぱり個室は人気あるなぁ。まあ、個室は終点まで乗るときの楽しみにとっておこう。
狭い入り口から、寝台車に乗車。うう、寝台独特の香りが懐かしい…B寝台に乗るのは日本海以来だ。東北本線線は遅れているようだが、この列車は時間通りに出発した。発車時のメロディ、振動や沈む夕日、赤羽駅でのラッシュなどを見ていると、別世界にいる感じ。団体で旅行に出かける方からは、「修学旅行以来」とか、「飛行機ばかりだったから新鮮」と話していた。そうそう。(私は元から列車びいきだが)
結局私のとなりには乗車なし、広々と気がねなく空間を使えるという点では、かなり快適だが、さびしい気もする…今日は、臨時の81号も走っているし、本当に混雑するのは週末なんだろうな。夕食は、オーベントーの、うなぎ弁当。
食堂車では、予約なしで入ることができるパブタイムになったので、ラストオーダー前の、22時20分頃行ってみた。普段酒場なんて、一人では行かないし、扉をあける時には緊張したが、そこそこ空いていて、暗めの照明に流れる音楽。なにより、車窓から、家の光がちらちらと、時々駅を通過する。列車の中という非日常にぼーっとしてしまった。
格好をつけてウイスキーに、チーズセットなんてのを頼んだが、うう、キツい。久々に酔うという感じを味わったよ。時間はあっという間にすぎていき、チーズ2個を持ちかえった。寝台に戻ると、列車の揺れも加わってすぐに寝てしまった。
このまま、ずっと乗っていたかったが、予定通り長万部で下車。ここから小樽駅まで、函館本線で行ってみたくて、北斗星からなら一時間待ちで、直通列車に乗ることができる……というのが長万部で降りた理由。
列車は、よくこんなところに線路が引けたなと思う、山の中を走っていく。沿線で気になったのは、昆布駅がおしゃれだったのと、比羅夫駅に、木のログハウスがあり、風呂までついていたことかな。変わった駅名、家どうしの距離があり、広々としていて北海道という実感がわいてきた。倶知安(くっちゃん)駅から乗ってきた親子は、京極からバスでやってきて、これから札幌へ向かうらしい。朝から出て、着くのは13時半か。北海道は広いなぁ。
余市になると、ようやく街らしくなり、小樽駅に到着。裕次郎ホームをちょこっと見る。
小樽から一駅。南小樽駅で下車。小樽観光といえば、ときなが行った、ガラス坂でしょうが(そうか?)それとは別に、南小樽の住吉神社には、一度行ってみたかったのだ。影響されやすいと思うが、WEBの旅行記を読むと行ってみたくなるのですよね。両側が下り坂になっていて、昔ながらの素朴な町並みが広がっている。これが、小樽の坂か。賽銭箱の前にガラス戸があるなんて珍しい。よし、一つの目標(夢)を達成。
そのまま、今度は駅の反対側をずーっと下って、小樽温泉のオスパに行く。ちと高めだが、今日の風呂はここにしよう。昼間なので、人も少なくのんびりすることができた。近くに「なか卯」があったので、そこでざるうどんを食べ、次の目的地へ。
ずーっと歩いていると、小樽運河のにぎやかな町並みになり、不気味な仮面を売っている場所や、「なんだかんだ」という雑貨屋があったりと、見ていて飽きない。
小樽駅から、そんなに遠くないかなと思ったが、結構な距離があり、ゆっくり歩いたので40分以上はかかったと思う。交通記念館は、広さが違うねー。車両が静態展示されていることろだが、タクシーや、列車が中に何気なく置いてあるのには驚いた。時刻表とか、きっぷとか置いてあってあったり、廃線になった路線がたくさんあって面白い。屋外では、特急の「北海」の中に入ったり、郵便車や荷物車も見ることができるのだ。軽く見ただけでも1時間はかかった。
バス停でしばらく待っていると、ちょうどレトロなバス(ろまん号)が来たので乗る。各名所を案内つきで回るのにはびっくり。このバスに乗っているだけで、一通り観光できてしまうぞ。小樽駅が見えたのに、反対方向に行って焦ったが、マイカルの方に行ってから駅に戻るようで、結構広い範囲を周回しているな。
そうそう、マイカル小樽は、「WING BAY小樽」に名前が変わっていた。ここで降りて入ってみたが、中は広々して、いたるところに休憩の椅子が置いてあり、いいところだと思うが、マイカルがなくなっただけで、一気に寂しくなってしまったな。「小樽よしもと」が、団体入場だけしか受け付けなくなっていて、これもがっかり。しょうもないけれど、あの昔の雰囲気が好きだったのに。
最寄りの小樽港駅から、〔快速エアポート170号〕、〔特急おおぞら9号〕を乗り継いで、目指すは釧路!
釧路に来たのは、〔まりも号〕に乗るため。
寝ているうちに、札幌方面に向かわないといけないので、往復する行動になり、観光ができないのは残念。列車は、金曜日の夜だからか、指定グリーンも満席になる混雑だった。釧路に到着したのは、21時すぎだったが、コンビニの他には、ミスタードーナッツくらいしか開いていない。食べ物を求めて、ずーっと北大通を歩くと、6丁目のところに、ケンタッキーフライドチキンを発見。野菜もとらないといけないなと、セット物にコールスローも頼んだら、700円を超えてびっくり。さすがマクドナルドとは違うや。
釧路駅に戻って、23時発の〔まりも号〕に乗りこむ。夜行特急といいながら、(私が寝るのは)寝台じゃないので、放送も入るし、停車する駅ごとに乗ってくる。自由席(1両)が満員なのか、指定席まで流れ込んできて、けっこう話し声が聞こえるので、眠れない…これは、明日つらいぞ。なんで、深夜2時半に止まる駅から、ぞろぞろ乗ってくるのだー。
朝4時半ごろ、なんとか目が覚めた(ほとんど寝ていないが)。曇り空だったが、雨はもう降らないようで一安心。4時50分、追分駅で下車。ここからの行動は、もうわかりますよね?
鉄道ファンには有名な楓駅、一日一本しか列車がないという…存在する意味があるのか?という駅です。その一本の電車が、楓駅、朝7時2分発。これに乗るためには、追分駅で降りるしかないっ。
降りたのは、私のほかにもう一人。話を聞いてみると、この方も目的地は一緒、楓駅である。飛行機で釧路までやってきて、〔まりも号〕に乗ったそうだ。他の面白い駅も、いろいろ訪れているそうで、
青森のプレイピア白浜駅に行くために、延々と歩いた話や、四国をいかに攻略するかを聞く。絶妙な乗り継ぎで、パズルみたいだ。
始発まで時間があるので、追分駅の改札を出ると、寝袋で寝ている方がいた。この方も狙っているぞ。東京から来て、気ままに旅をしているそうだ。みんな、気合が違うなぁ。
追分から、3両編成の新夕張駅行きの列車に乗ると、この列車が3分割して、真ん中の一両が楓行きになる。乗り込むと、ワンマン運転のはずが、運転士さんの他に、ビデオをとっている駅員さんがいて、「今日は特別」らしい。なんなのだろうか。
ゆっくりと、トンネルを抜けると6時54分、楓駅に到着。ついに来たんだ。この列車が折り返し、7時2分発の列車(最終列車)になるので、滞在時間は8分間。
さっきの駅員さんは、待合室や、トンネルなどビデオに撮っていた。なにかの資料になるのだろか。私も写真を撮ったが、ただ一人、追分駅で駅寝していた方だけは、ただ眺めているだけ。苦労して来たのに、いやはや、すごいや。できる方だな。
待合室では駅ノートがあり、訪れた方が、思い思いのことを書いているが、楓キター!とか、楓タンとか書かれていて面白い。また、少女の絵を描いている方もいて、さっと描ける方は、すごいなと思う。
新夕張駅で、楓駅の入場券を購入し、札幌方面に行く二人と分かれる。「よい旅を」「お元気で」自然と言葉がでてきた。
楓駅訪問は、いい思い出になりました。
続いて清水沢駅で下車。ここは、大夕張鉄道が出ていたところだそうで、特に廃線跡を歩く気もないが、駅を出て坂を上ると、住んでいるのかもわからない、古い家が並んでいた。所々に立て替えた新しい家が混ざっていて、 対照的だ。あと、メインの道路から少し離れたところに、酒場や、スナック、カラオケがあるのだが、その数がやたら多い。10件以上あった。こんなに多くて需要があるのだろうか…
坂をずーっと上ると、橋がかかっていて、そこから街を見下ろすことができたので、昨日買っておいた、おにぎりを食べながら眺める。逆に駅から下っていけば、道沿いに商店がいくつか並んでいるようだ。
次の列車で夕張に。前回行かなかった、「石炭の歴史村」が目的だ。駅からの道は覚えているので、サイクリングロードをゆっくり上ると、なつかしの映画看板の並ぶ街の中心へ(昔はここに駅があったらしい)。さらに歩いて30分、結構遠かったぞ。途中の花と緑の公園で、白雪姫のストーリーを追いながら、歩いていけるのはいい仕掛けだと思う。
早速、目玉の石炭博物館に行ってみる。最初の方は石炭の展示や歴史の紹介だったが、途中から「まっくら体験」という、実際の炭鉱(教育用?)に入ることができるのだ。うわぁ~、暗い…照明つきのヘルメットで、ようやく前が見える程度明るさで、展示の文章も、ライトをうまく当てないと読めない状態。なるほど、マインパークは、明るい炭鉱だたが、実際の炭鉱はこんなに暗かったのか。出る時には、地上の光がまぶしく、「この光を見ると一日無事に終わった」という、炭坑で働く方の、思いが少しだけわかったと思う。
あと、鉱山生活館では、昔の部屋をリアルに再現してあった。交代制のため、夜間に働きに出る夫と、心配する妻。押し入れで寝ている子供…
ボタンを押すと、このシーンの会話がテープから流れる仕組みになっている。人形に動きはないが、「気ぃつけてな」と、声がついているだけで、めちゃ臨場感があった。また、昔の写真やジオラマを見ると、夕張駅(昔はもっと伸びていた)の周りにはずらーっと家が立っていたようだ。今、公園や団地になっている所が家だったのか。8畳で一家四人。友子制度や棟割長屋の生活をしてきた方が、ここにいたんだ…
石炭博物館がすごすぎて、あとはいまひとつ。ロボット大科学館なんて、時代が違いすぎると思う。でも、広い敷地をのんびりとまわって、いい散歩になったよ。休憩所で、無印良品のバウムクーヘンを食べて、ゆっくり歩いて駅まで戻る。
今日のお風呂は、夕張駅前にある、レースイの湯。さすがホテルだけあって綺麗だったし、洗い場も、一人一人分かれていて、個室のようになっていた。また風呂も、3種類の温度があるし、ちょっとした露天風呂もある。すばらしい!大満足で、半分眠りながらリラックスできた。
帰りは、13時23分の列車に乗るが、すっかり晴れて、暑いほどだ。クロスシートに座って、列車の窓をあけて風をいれると気持ちいいし、うれしい。都会じゃ、風を浴びることって、なかなかできないもの。
新夕張でしばらく待って、〔とかち号〕で、札幌へ。新しくなったJRのビルや、ヨドバシカメラなどを見てまわったあと、パンやおにぎりを多めに買いこんで、乗り込むのは、〔寝台特急北斗星4号〕。帰りもB寝台だ。
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