今日は「駅からハイキング」に参加しようと思う(約半年ぶり)。7時9分東京始発の〔エアポート成田〕に狙いを定めて出発、グリーン車でのんびり景色を眺めながら8時30分に成田へ。出発地の香取駅は成田から6つ目なのだが、1時間ほど電車がないのにはまいった。仕方ないので、成田山でもうろうろしようと駅を出るとそこの電光掲示板には「9時13分臨時特急香取行き」の文字が。またしても、こんな便利な臨時特急を見逃していたのにショック。さっそく自由席特急券を買って特急〔小江戸さわら〕に乗車したが、6両のうち2両の自由席には10人くらいしか乗っておらずガラガラ。鹿島神宮行きにすれば、もう少し乗車率が良くなったかも。
香取駅は、水色の貨物列車を改造したような駅だったのに、小さいながらもちゃんとした建物ができていた。
早速出発。他の方と一緒にぞろぞろとのんびり歩くこの感覚も久しぶり。まずは神道山古墳を通るのだが、円墳をいくつも抜けていく立派なハイキングコースになっている。各所に円墳の案内があるが、山に埋めただけという感じで、土を集めて一から作った、という古墳とはずいぶんイメージが違っていた。のどかな山道で楽しいが、道らしい道がなく、この行列がなければ、どこに歩くのか戸惑うかも。
ゆるやかな坂道を降りてしばらく進むと幹線道路から離れ、両端にシダ植物がおおっている切りとおしを進むと、香取神社に到着。ちょうど七五三の時期なのか、小さな子供と写真を撮る親でいっぱい。ハイキング者がぞろぞろやってくるのは迷惑だったかも。
黒が主体だが日光のような赤緑の模様があり高級感があって格好いい。また入り口には、菊の展示も行われていて、懸崖大作というツリーみたいな菊がいくつかあり迫力がある。ここで休憩をしたあと、メインの坂道をゆっくり降りていくと入り口には大きな鳥居と両側にはずらっと売店。これぞ参道。
説明によると、神武天皇18年が、「新宮」の社号を持つ下総の国一の宮で国の重要文化財に指定されているそうで、今まで、香取神宮なんて名前も知らなかったが、こんなに大きかったのか。階段の下には、要石への道があったので、ついでに寄ってみたがまた本殿に戻ってしまい、ちょっと遠回りしてしまった。
参道の入り口をすぎると、山沿いの農道のような道になり、うねうね曲がりながら歩いていく。途中に七味唐辛子の販売所があり、みんな買っていたが、有名なのかな。幹線道路に戻るまで距離があったが、遠くまで見渡せる田んぼの横を歩いていくので、疲れることはなかった。
農道のような道を過ぎ、車のほとんど通らない立派な道路をしばらく歩くと、観福寺に到着。ここは関東の三大厄除け弘法大師だそうだ(あとの二つは川崎大師、西新井大師)。まあ、なにかの縁とお参り。無料のお茶サービスがあったので、ありがたくいただき、ひとやすみ。
ルートではすこし道を引き返すのだが、案内人の方が、ちょっとした脇道を勧めていたのでいってみる。車一台がようやく通れる幅だが、街の裏道という感じで、静かで良いところ。なんだか得した気分。
その後道を曲がると、小野川に沿ったあの小江戸というか倉敷のような風景がいきなり現れた。小野川の水路には船があり、両側には瓦屋根の古い大きな屋敷がずらりとある。柳、木の橋もあり完璧だ。写真でよく見る風景だが、実際に見ると時代を遡ったような感動がある。観光地化されているが、それでも小野川沿岸の町並みがずっと残るなら、それでいいと思う。
早速前から気になっていた、伊能忠敬記念館へ。大きな地図が何枚も展示されており、関東の伊豆部分から静岡にかけての詳細な地図に圧倒される。日本全体の地図は、こういう詳細な地図を寄せ集めて作成したと言われれば当たり前だが、こんな規模の大きいことを50歳をすぎてから行ったなんて…昔の方の健脚ぶりには、ただただ脱帽。
先着プレゼントの絵はがきなどを貰いながら、最後に東薫(とうくん)の酒蔵を見学する。叶(かのう)というお酒で有名らしいが、とにかくお酒の香りがすごい。文政八年に創業とのことで歴史が違う。機械化している部分もあるが、昔ながらの酒づくりで、あとで試飲したが美味しかった。酒の味にも自信はないが、雰囲気も味のうちでしょう。
日本酒の知識はほとんどないのだが、精米からろ過するまでの作業行程の多さと、米を磨いて35日かけて大吟醸を作っている話など、これだけ手間がかかっているのだから高いのも当然かなと思った。といっても、昔とくらべて一人がお酒を飲む量は減っているし、大手メーカーとの競争もあり、苦戦しているとのこと。おみやげにと思ったが、一人で飲むには量が多すぎるので、おつまみ(塩豆)だけ買ってあとにした。説明してくれる方が丁寧で、試飲もできるので、佐原の観光ついでにまた寄ろうと思う。
しばらく歩くと、また鳥居が見えたが、これが自然と街にとけこんでいて、観光区じゃなくても、昔ながらの街なんだな。駅はすぐそこで、12時35分ゴール。参加賞として、お米券を進呈…じゃなくって佐原のお米をいただいた。東薫では「ぐい呑み」をくれたし、町全体でハイキングを歓迎しているようで、うれしい。
帰りは千葉行き普通電車で成田下車、ドトールコーヒーで休憩してから、14時13分の久里浜行きで一気に帰宅。帰りも贅沢にグリーン車へ。10月16日のダイヤ改正で「データイムグリーン料金回数券」が廃止になるので、廃止直前に購入したのだが、それも有効期限は明日まで。どこまでグリーン車に乗っても500円というおトクなきっぷとも、これでお別れか。なごり惜しい。
[入館料] 伊能忠敬記念館(割引料金) ¥250-
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