毎度ながら、その日の気分で目的地を選んでいるが、今日は「夕やけ小やけふれあいの里」に行こうと思う。最寄駅は高尾なのだが、地図を見ると五日市線の武蔵増戸駅からでも、歩いていけない距離ではない。こっちの方が山越えでおもしろそうだから、ちょっと早起きして7時35分に武蔵増戸駅で下車。
待ち合わせしているのだろうか、学生がいっぱいの駅を出て、ずっと南へ行くと、山田大橋へ。下の方まで下らずに、対岸までまっすぐ橋が掛っているので、とても巨大な橋だ。歩行者の用の道をあるいていると、自転車で駅の方に向かってくる方が多い。この先は網代トンネルと上用トンネルが、ずーっと続いているのだが、トンネルの中を1キロも歩きたくないので、入り口近くから、山へ向かう道を歩く。単にゴルフ場に向かっているだけの道みたいで、両側にはコースが広がっている。休憩所もあるが、「コース利用者専用です」なんて書かれているし。
ゴルフ場の入り口を過ぎても道は続くが、思いっきり山道に入ってしまった。車のすれ違いができない一車線のうねうね曲がった道が続く。途中に車が止めてあるのだが、廃車というほど古くもなく、誰も乗っていないので不気味だ。秋川方面が見渡せる山の頂上付近になってからは、左側が柵になり、道路の建設場のようなところを見ながら下ると、ちょうど上用トンネルを抜けた先の道路に合流した。素直にトンネルを歩いた方がよかったかもしれない(苦手なんだけれど)。
61号線(山田宮の前線)はさすが幹線道路、歩道がちゃんと整備されていて、歩きやすい。といっても、周りは家もなく寂しいところだけれど。横に霊園があるのかな。途中に、砂利売り場があり、砂利4号が3980円などと値段が付いている。一番高いのは中目砂で6980円とのこと。石が大きいほうが高い…くらいしか違いがわからないや。秋川街道に合流してからは、コンビニに、自動販売機、いろいろなお店があらわれて人里に戻ってきた気分になる。
続いて、2つ目の峠越えが待っているのだが、徒歩の特権、上川橋まで行かなくても、途中の小さな道を通ればショートカットできそうだ。民家の中を抜け、車一台分の狭い道を通るが、車がどんどんやってくるのにびっくり。車に乗っている方も近道だとわかっているのだな。でも、一方通行じゃないし、すれちがいはどうするのだろう。
再び山の中へ。ここは戸沢峠というそうだが、延々とのぼり坂が続くのはまいった。リンクルミリオンのポケット判を愛用しているのだが、等高線付きの地図の方がいいかな。峠を越えてようやく下り坂になったと思ったのに、また緩やかなのぼり坂が続く。今度のトンネル(美山トンネル)は回避する道がないので、そのまま進むが、200メートルくらいなのに、やけに長く感じた。
出口先の、下恩方工業団地の信号は、歩行者用の押しボタンがあるのだが、これを押すと両方の車用信号が赤になり、スクランブル交差点のように歩行者が独占できる仕組みになっている。いいなぁ。でも、渡るのは一人だったから、ちょっと悪い気がする。名前が謎な「モリアオガエルの道」を進むと、ようやく目印にしていた熊野神社に到着。そんなに大きい所じゃなかったが、ちょっとした神楽殿があり、本格的な神社なのかな。ここでしばらく休憩。車の通りから離れているので静かなところだ。
再び、圏央道と交差(今度は下を通る)するが、ここに「下原刀鍛冶発祥の地」という石碑が立っていた。「独特の鍛錬法による作風で数多くの名刀を残した」と伝えられるそうだが、 こういうのを見ても、ふーん、と通りすぎるだけ。郷土の歴史を知っておかないとダメだなぁと思う。
小津川に沿ってゆるやかな坂道になっているのだが、この川、まったく水がない。そのまま埋め立てて、道路を広くしても、よさそうだが、雨の時だけ役に立つのかな。いくつかの庚申塔(こうしんとう)を見ながら、上流の方まで歩いてくと、いつの間にか川には水が流れていた。どこかに水が吸い込まれているのか。ちょっと気になる。
日当たりがよく、谷川に家がぽつりぽつりとある、静かな中を歩くと、たくさんの登山客を乗せたバスが通りすぎた…と思ったら目の前のバス停に到着。ここが小津で、バスの終点のようだ。目的地は「ふれあいの里」なので、集合して点呼をしている登山の方の横から、左に曲がり再び急な山道を上る。今日は何回峠を越えているのだろう。道路自体は舗装されていて歩きやすいが、山道というより、両方が岩に囲まれた切りとおしになっていて、頂上付近までずっと続くので、ものすごい圧迫感がある。
それに、急カーブがずっと続くので、先がぜんぜん見えない。明かりもなく、夜になると真っ暗になるのだろう。こんな所を猛スピードの車が走ってくると危険だと思うが、結局、車は一台も来なかった。本当に、利用されているのだろうか。予想以上に坂道が続いて、へとへとになったが、頂上からの眺めはすごくよかった。太陽に照らされた町が、下の方に遠くまで見える。今まで薄暗い切り通しのような所を歩いてきただけに、別の世界が現れたという感じ。ふれあいの里の温室も見える。ただ降りる道が、つづら折りになって、ずっと下まで続いているので、まだ先は長いようだ。
わざわざ車のように右に左に行かなくてもまっすぐショートカットできそうな所はないかなと探したが、道はなく、畑の中を突っ切るしかなかったので、あきらめて素直に道路を下りた。
一部、道が狭いところもあったが、まっすぐ歩くと、ようやく夕やけ小やけふれあいの里に到着。その先に宮尾神社があり、先に行っておかないと、歩く気力がなくなりそうなので、坂道をひたすら上って夕焼小焼の碑を見て休憩(10時5分)。
ああ、のどが乾いたが、動けない。ちょっとやばいかも…ずっと休んでいたいが、戻らなきゃという気持ちもあり、しばらくFor RITZを聴いて、ようやく立ちあがる。下り坂になると、足は自然に動き「ふれあいの里」の自動販売機で、甘いジュースを飲む。生きかえった~。
前に、ここに来たときは誰もいなくて、一人でスタンプを集めたものだが、今日は子供がいっぱいいて賑やかだ。それに、こいのぼりがたくさん泳いでいたり、橋の所に、町を描いた絵が何枚か飾ってあったりと、明るい雰囲気になっている。
今日はよく歩いたので、帰りは素直に「京王バス」(650円)で帰宅。
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