7時に秩父駅
お花畑駅を見ながら、西方向に歩く。ゆるやかな下り坂で、人もいないので歩きやすい。街のまわりは山で囲まれており、ひさびさに秩父までやってきたことが実感できて、わくわくする。ただ、ところどころにある、開運案内板どこいくべぇって、どんな意図があるのだろうか。
佐久良橋を渡り、まずは、秩父流水公園へ。なかなか道がみつからず、歩きすぎたかと思ったが、広場が見えてきたところに発見。でも、門が閉まっている。あれ、流水公園って、川の流れる涼しげな公園をイメージしていたが、ただの市民プールだったの?もう、何年も営業していないようで、中は草でいっぱい。廃墟好きだから、これでもいいけれど、やっぱり寂しいな。
そのまま、坂を下りていくと野球場のある別所運動公園へ。奥まで行くと、荒川の岸辺に出たので、しばらく休憩。川の流れる音が気持ちいい。川沿いに歩いていくと、佐久良橋に戻れるかな、と思ったが、完全に草でおおわれ先へ進めず。むなしく引き返す。
いよいよミューズパークへの山登り。せっかくだから、端から端まで歩こうと思い、秩父公園橋まで戻る。
バスの通る道なので、広くて歩きやすいが、さすがに坂はきつい。途中、歩行者用の「巡礼道」と書かれたわき道があり、S字型に曲がっている道路をかなりショートカットできそう。よし、行ってみるか。車道から離れると、昔から変わらないような山道になり、いいなと思うが、まっすぐにショートカットしている分、坂は前よりも急になり、ちょっと進むだけで、もうへとへと。うーん、体力が落ちたのかな。なんとか、普通の道路に出てきたので、水郷亭を通り、再び山道を登って展望台へ。秩父の街が一望できるすばらしい 景色。がんばって、登ってよかった。
ベンチでしばらく休憩し、別方面から階段を下りる。薄暗い森の中に、なぜか広場があり、こもれび広場と名前がついている。横の木は、ロープでまわりを囲い「すずめ蜂に注意」とか書かれていたが、どう注意するのだろう。木には、確かに蜂の巣があるよ~。ハチはいなかったが、怖いので、早足で離脱し、ようやくバスの通り道に合流。
近くに、薬用植物園があったので寄り道。木や薬草を、実際に触って、自然の中で薬用植物の正しい知識を伝えるのが目的とのことだが、機能しているのかな。草はほとんど見当たらず、荒れ放題。案内図では、シンボルツリーが目立っていたが、実際に行ってみると、草だらけで、近づけない。
歩行者、自転車用の広い道がずっと続き、解放感があるし、音楽が流れテーマパークみたい。
神殿のようなステンドハウスや、パルテノンという名前の休憩施設もあるので、天空の神殿をイメージしているのかな。マラソンをしている方が多く、神々しさはないけれど。ミューズの泉 も、神殿っぽいけれど、ねこがいっぱいいて、可愛いかったので大満足。
後半は、ゴルフ場、サイクリング、プールなどのスポーツ施設になっているみたい。利用しないので単調だったが、しばらく歩くと、公園の端に到着。いやー、広いです。これでも、メイン通りだけなので、全部まわると半日はかかりそう。探検気分で、また、行ってみようと思う。
反対の蕨(わらび)平方面に降りてみる。カーブが連続し、トラックがやたらと多いので場違いなところに来たみたい。
ずっと坂を下って、「わらび平」というバス停をすぎると、ようやく静かになる。メインの道から少し離れたが、道が狭く入り組んでいて、昔ながらの田舎という感じて、懐かしい。まだ暑いのに、トンボがたくさんいて、夏休みもう終わりだな…と、寂しく感じた時のことを思いだす。
しばらく歩くと、茅葺き屋根の建物と一緒に、羽黒神社を発見。町指定有形民俗文化財の案内板もあったが、手持ちの地図に書かれている場所とずいぶん違う。本体とは別にあるのだろうか(インターネットで調べると、山崩れのため、現在地に移転改築されたそうだ)。
服を着た牛のイラストが楽しい、坂本牧場をすぎると、のどかな田舎はどこへやら。すっかり山の中に入ってしまう。すれちがいできなくなるほど、道がせまくなり、夕霧沢を通過すると本当に真っ暗で、すずしくなる。皆野荒川線(43号線)の一本道をずっと歩いてきただけなのに、どういうこと?
小さな山を越えると、さっきよりも、さらに昔風の集落があらわれる。ここが、紫原温泉で、長屋のような宿屋があり、懐かしい。木造三階建てのところは、ラブひなみたい。さっきの集落とも切り離された別世界で、これぞ旅の醍醐味と思うが、先に続くのは、さらに本格的な山。どんどん山奥に進んでいるみたいで、怖くなってくる。
車のと通らない、ぼろぼろの道路をひたすら登ると、ようやく峠を越えたようで、下り坂になる。坂の途中に、稲荷神社があったので最後の寄り道。めちゃ階段が急で、転んだら下まで真っ逆さまに落ちそう。
徳川吉宗の時代、いなごが大量発生し(享保の飢饉)、農民が苦しんでいたとき、神社は、米穀を出して救ったとのこと。そのほかにも、説明好きで、いたるところに説明板がある。奥宮参拝道の案内もあったが、先の山は道がなく、どうやって 行くのだろう。涼しいので、しばらく休憩。しかし、自動販売機がちっともない。ミューズパークでお茶を買っておけばよかったよ。
なんとか復活し、車のたくさん通る国道140号線に戻ると、ようやく下界に戻ってきたんだと実感。10時55分、武洲日野駅に到着。きっぷが硬券なのが嬉しい。
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