朝早いのに、いろいろなところで、だんじり祭りをしていて、活気がある。
ようやく、念願の紀州鉄道を完乗し、10時に西御坊駅から出発。家の間をかすめて通り、どの駅もバス停のように小さいが、古さがあって大満足。駅の周りも、古い町並みと狭い道で、懐かしくなるが、すぐ近くの国道42号線は立派で、車がたくさん通っている。列車の車体に書かれていたパチンコ屋も発見。
西川を渡り、林に向かって坂道を上る。ところどころに、海抜〇〇メートルと、津波の絵が書かれている。おお、さすがAIR(アニメ版)の街。場所は詳しく調べてこなかったが、嬉しくなる。
小学校横の林に、道があったので、中に入るとちょっとした公園があり、さっそく一休み。先は長いので、のんびり行こう。両手が滑り台になっている、ロボットのような遊具と船があり、新しくて綺麗なところ。
公園の反対側は、旧道になっており、こちらの方が落ち着く。ほとんど車が通らず、のどかなところ。途中に雷神社の灯籠(いかづち)があり、天保一二(1841)と書かれている。雷よけの神として、住民に祟敬されているとのこと。
再び立派な歩道のあるメインの道路と合流し、大きな病院や、役場を過ぎると、左側に林が続く景色に。この先が海なんだろうなと思い、中を突っ切るが、途中で道を間違えたのか、また戻ってしまう。図書館のところからは、再び旧道で、先に御崎神社がある。
日高地方でもっとも古い神社で、神武天皇が熊野路へ行く途中に寄ったことが、日本三代実録にも記述されているとのこと。横には、樹齢は1100年と言われる、ウバメの老樹もあり、とにかく歴史のあるところ。建物一つ一つに説明が書かれているのが親切だが、いろいろなところに説明があり、圧倒される。
神社からは、まっすぐ海に向かって、大きな鳥居があったので、海岸へ。潮の香りがすごい。ずっと砂浜が続き、三尾方面の岬が、遠くに見え、絵になる風景。
このあたりは、逢母(おいぼ)と呼ばれているようで、日本書記の伝説によれば、神巧皇后が新羅から帰還して都に向かう途中この地で、御子誉田別皇子(のちの応神天皇)に逢われたとのこと。その他いろいろ消えかかっている字で書いてある。
缶コーヒーを飲みつつ、波の音を聞きながら、無心で歩いていると、視点はどんどん高くなり、ちょっとした峠越えになる。土砂崩れで、片道通行になっており、無人のカウントダウン信号で、一定間隔で通行できるのだが、歩行者向けに作られておらず、歩いている途中で、向きが変わってあせった。
坂道を降りると、新しい集落が見えてくる。ああ、違う街にやってきたんだと、この感じ、たまらなく好きです。このあたりは、アメリカ村と呼ばれており、集団でカナダへ移民し、海外からの送金で、町がアメリカっぽい洋風になったため、そう呼ばれたとのこと。
途中に、三尾大師の案内板があったので寄り道。山の方に入っていくと、ある民家の前には、カラフルな浮き玉がいっぱい。いろいろな色に塗られて、部品が追加されており、パンダやカエル、団子型など、器用だな~。子供のために作ったのだろうか、港街という感じで、ほほえましい。奥に小さな池があり、厄除の鐘があったので一休みする。茶色いカニが寄ってきてびっくり。「おんあぼけやべいろしやのうまかぼだらまにはんどまじんばらよらばりたや」(さっとメモしただけなので、間違っている可能性大)と、呪文を唱えて 年の数だけならすと厄除になるらしい。
で、肝心の三尾大師はどこなんだろう。奥の山道を歩いたが、道が途中で終わっていて、進めない。
土砂崩れで道がなくなくったのだろう…と勝手に解釈し、引き返すと、先ほどのうき玉の家には、反対側から見ると「また、おこし」と書かれている。うーん、すごい。芸が細かい!
再び港街になり、アメリカ村を探検する。とにかく、道が狭く迷路みたい。ただ、廃屋が多いのは、時代の流れなのか、門だけ残っているところもあり、寂しい。両側に石を積み上げた溝のような道を抜けると、鳥居があり、坂道を上ると、龍王神社に到着。
家のような敷地に入ると、まず、大きな木(アコウの樹)があり、びっくりする。アジア東部の亜熱帯の木で、推定樹齢は300~350年。県下最大とのこと。枝は扇状になっていて、迫力がある。枝の下をくぐり、いちおうお参り。高台で、壁の向こうは一面の海になっている。
ゆっくりと引き返し、いよいよ最終目標、日の岬灯台へ。しばらく、アメリカ村の集落が続くが、ここでAIR(アニメ版)の撮影ポイントを二つ通過。アニメと同じ場面に出あえるのは不思議。キャラクターが住んでいるとは思わないけれど、Webの訪問記の作者が訪れたのだなと思うと、不思議な一体感がある。巡礼とか、聖地訪問と呼ばれているが、こんな旅も面白いものだな。
港をすぎると、浜辺は、ゴツゴツの岩地帯になる。釣りをしている方が多いが、いろいろなところに、白いペンキで、「貝エビ取るな」と書かれている。
ひたすら道に沿って山を登り、また降りると、日の岬灯台に到着(12時40分)。見所がなかったので、書くことはないが、坂道がひたすら続いてきつい。海を見ている僧(徳本上人)の広場を通り、あとひとがんばり。ちょっとした動物園を通り(うさぎ、にわとりがエサをくれると思って寄ってくるのが気まずい)15分歩いて、バスの終点、日の岬パーク(カナダ資料館前)に到着。今まで歩いてきた岬が見渡せるのはいい眺め。周りは、トーテムポールや、巨大なカメの置物があり、別の国みたい。
帰りは、バスでおさらい(駅まで540円)。一瞬で通りすぎるのが、なごり惜しい。
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