9時40分、はるひ野駅
2004年末に開業した新駅で、行ってみようと思いつつ、すっかり忘れていました。高架ではなく、ホームから直接、改札に出られるのが、めずらしいかな。
駅前の緑農会館を、駐車場の方に歩くと、ちょっとした散歩道が続く(黒川谷ツ公園)。川崎市が自然をそのまま残した場所で、ホタルも生息しているらしい。整備されている遊歩道隣は、放置されている自然で、湿地地帯が続く。途中で道路に出てしまったが、駅に向かう近道として使えそう。
その後は病院に向かって、ひたすら坂道を上り、9時55分にようやく、よこやまの道の入り口に到着。多摩東公園の手前、ちょうど東京都と神奈川県の境に、遊歩道がずっと続いているのが気になったので、今日の目標はよこやまの道制覇。
道はそこそこ広く、谷を下るような下り坂が続く。坂道を降りると、林の広場になり、案内板を発見。このあたりは、さまざまな種類の、野生の桜が点在しているとのこと。
再び坂道を上る。頂上付近にも林で覆われ、街が一望できなかったのは残念。このあたりは、黒川(川崎市麻生)と、瓜生(多摩市永山)を結んでいた江戸時代からの往還道で、近道として、利用されていたとのこと(瓜生黒川往還)。
また、雑木林の若返り(萌芽更新)と根株移植の説明や、分倍河原合戦と県境の尾根として、多摩川の北に陣取った新田義貞を迎え撃つため、鎌倉を出発した北条泰家軍は息を潜めていた、…という解説などいろいろある。なんでもない道だが、いろいろな由来を読むのは楽しい。
給食センタ-の横を通ると、次は大学の横。賑やかに、野球の練習をしており、よこやまの道とは別の世界が隣にある。その後も、のんびり林の中を歩いていたが、バイクが通るようになって、びっくり。ええ?どこかにつながっていたのかな。
鎌倉街道(18号線)で一旦普通の道に戻ったが、運輸会社横の山に、ちゃんと整備された道があり、よこやまの道はまだまだ続くのです。いままで以上に登り降りがきつくなったが、採石所や、お寺のお墓を見ながら進む。この道は、なぜか家族連れが多く、よくすれ違う。
女学園大学横を通ると、家がなくなり、目の前は完全な山。今までのような、幹線道路横の遊歩道とはレベルが違う。案内板もないし…、よこやまの道はいったいどこに行ったのだろう?
だいたいの位置はわかるから、なんとかなるだろうと、山道に突入。どんどん暗くなり、森のトンネルが続くようになる。駅から離れている気がするが、一本道なのが救いかな。静かで、不気味なところを進むと、だんだんと明るくなり、地蔵を発見。なんだか、ほっとする。近くには、「みどりのゆび」、というグループ(?)作成の案内板がある。小野路宿・別所に向かっているみたい。
山を出ると、確かに小野路というバス停がある。すかさず、現在位置を確認するが、よこやまの道はどこへやら。
156号線は1.5車線分しかないのに、やたらと車が多かったので、小野路手前で、旧道に逃げる。歩行者の場合、一本となりのほうが、快適なことが多いのです。
でも、この道も山につながっていたようで、途中で、舗装道路がなくなり、土の道になる。うう、こういうことは入り口に書いてほしいよ~。この山をつっきって、浅間神社横に出ると、地図の距離上では近道かな。引き返すのがいやなので、前進あるのみ。「みどりのゆび」の方向案内も心強い。
例によって、また林のトンネルになるが、今度は、道の真ん中に草が生えだし、両側の壁に挟まれるように、道が狭くなる。これって、完全にけもの道では…。草の道で、足の感触が気持ち悪いよ。道はぬかるんでいるし、へびが出てきそうで、怖い中を早足で、進むと、今度は前に白い犬が現れた。ひぃ~!!
でも、人懐っこい犬で、あとから飼い主が出てきた。よく、散歩で通るとのこと。ええ?この道を…すごい。犬とわかれて、しばらく進むと、小野井戸、そして小さな鳥居と神社に到着。平安朝のむかし、小野小町が病にかかったおり、この山に千日こもり、井戸の水で、目を洗ったところ全快したとのこと。それにしても、地元の方にとっては、これが普通の道だったのか…。
神社を過ぎると、下り坂で、田んぼの横に出る。後ろは完全な山で、こちらが入り口だったら、絶対入らないだろうな。
もう山は懲りたので、素直にバスの道を歩く。病院横から、急な坂道になって疲れたが、登りきると、一面に多摩ニュータウンの街が見える。
橋を渡って、筒牧第三公園から、奈良原公園、鶴牧東公園と、公園めぐり。台地の上がずっと公園で、つながっており、車道に出ることなく、歩けるのはありがたい。立派な住宅は、公園の向こうにあり、草の柵で囲まれ、整然と並んでいる。RPGの街みたい。
最後は、レンガの地下道を通って、多摩センター駅でゴール(12時45分)。里山の印象が強かったので、綺麗な街並みが、楽園に見える。多摩の里山は奥が深いなぁ。手軽に、非日常体験ができるので、またチャレンジしよう。
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