9時半、銚子駅
駅前の通りを北へ進む。街灯がイカリの形をしており、屋根は、水の青と波の白で統一されている。港町っぽくていい。市役所の前を通り、124号線と交差すると、橋の下に階段があり、途中で右にも左にも行けるよう、二股に分かれている。左側を選び、橋の上にやってきたのだが…両側とも歩道がない!
先に海が見え、大きなかもめが一列に止まっているのは、いい景色だが、とにかくトラックが多く、怖いのはもちろん、橋がゆれて気持ち悪い。銚子大橋を渡り終えた時にはほっとした。ここを毎日通っている方はたいへんだ~。
横に橋を建設している途中なので、早く完成させて欲しいものです。この先、千葉に戻る(歩行者の渡れる)橋はずっと先の利根川大橋までない。長い旅がはじまる…。
まずは、波崎手子后(てこさき)神社へ。
鳥居から、昔ながらの住宅が続き、参道っぽいが、犬(放し飼い)が多いのが気になる…。ここは海の守護神らしく、6月に大潮祭が行われるとのこと。
小学校横を通り、10分歩いた先が、童児子女(おとめ)の松原公園。木の道がずっと続き、土器やはにわの馬、石像がずっと並び、常陸国風土記として、「多珂の郡」「茨城の郡」「行方の郡」「那賀の郡」「久慈の郡」と説明板もいっぱい。美術館のように楽しめる。
奥の方まで行くと、なぜか先は森になっており、森林浴でリラックス。でも、いったいどこまで続くのだろう。だんだん道は悪くなり、これは、道というレベルじゃないぞ。結局、松原公園の外周に当たって行き止まり。全体がフェンスで覆われているので、外にも出られない。これは、ひどい道。
一部、フェンスが剥がれていたのでなんとか脱出したが、公園の北側は、なにもなく、寂しいところ。
もう少し鄙びていると、思っていたが(失礼)、意外と綺麗な家や、アパートが多い。鉄道と関係なく栄えている。バスの通り道をずっと一直線に歩くいて、神善寺へ。
お寺よりも目立っているのが、大タブで、大きく、迫力がある。下から、幹が各方面に分裂していおり、たくさんの木が融合しているようにも見える。別名「火伏の樹」で、枝は四方に伸び家内安全の効力があるそうだ。何千年も昔からあるわけで、見ているだけで、ありがたい気分になる。
「日本の名木100選」に選ばれているとのこと。いい木だなぁ。本格的に、大きな木巡りをしようかな。
さらに5分歩いた先に、日の本神社があったのでお参り。乗ったら壊れそうな、古い木の階段があり、近づけなかったし、閉まっていたのが残念。あたりは、かやぶき屋根の家が多く、ここだけ時代が遡ったように感じる。
ひたすら、117号線を一直線に進むだけ。トラック同士だと、すれ違うのに苦労する狭い道で、歩きづらい。
右側には、大きな風車がたくさんあり、よく回っている。あと、松を育てている(?)畑のようなものが多く、途中の見どころは「山本懸蔵の碑」くらいかな。どんな意味があるのか、わからなかったが。
なにもない道だったが、いきなり栄えた団地地帯になり、RPGで、次の町にやってきた気分になる。さっそく、目的のいきいきランドへ。
坂を登ると展望台があり、住宅街が見渡せる。団地の周りに、ぞくぞく新築がたっている感じかな。ただ、歩道がぼろぼろなのが気になる。近くに赤い橋があり、道路を渡って、となりに行けるようになっている。「展望台」「プレイランド」「ケンケン広場」「芝生広場」などあるが、それほど大きくもなく、普通の公園かな。いきいきランドの先には、大きなスーパーがあったので、お買い物。青いタコの遊具がある公園で、パンを食べて、一休み。
町のはずれに行くと、歩道の舗装がなくなり、土の道に。歩道だけ、冷遇されているよ~。
今度は、幹線から一本離れた道を進んでいるので、車はあまり通らず静かだが、林や、家の塀に囲まれ、見とおしは悪い。このまま、まっすぐ行けると思っていたが、途中で、大きなトラックが集まる事務所のようなところに。いきどまりかと焦ったが、北側に、隠し通路のように、土の道が続いていたので、こちらを一直線。古い車の廃棄所になっており、夜だと怖いだろうな。
結局、先ほどの117号線(深芝浜波崎線)に合流してしまい、あとは、ひたすら一直線。歩道があって、歩きやすいが、もう少し迷っていたかったかな。サッカータウンhasakiという、サッカー場の地図が書かれた看板をよく見かけるので、サッカーをするには、困らない町だと思う。あとの見どころは、プロパンガスのタンクを使った「こけし」くらい(けっこう単調)。
遠くの工場地帯が少しずつ近づいてきて、13時10分、ようやく次の町に到着。
こちらは、スーパーや、食べ物屋がない(見つけられなかっただけかも)。とりあえず、若松緑地運動公園で一休み。遊歩道が整備され、散歩にぴったりの公園だと思う。途中、斎藤茂吉の歌碑が大きく紹介されていたので、つい読んでしまう。
「冬の日の ひくくなりたり 光沁む 砂丘に幾つか 小さき谿あり」
昭和十年、斎藤茂吉が銚子を訪れた時、海洋演習場を見て詠んだものの一つとのこと。
この先は工場地帯で、単調な風景だが、いちょう東通り、あおぎり通りと、道路ごとに、色分けの案内があり、迷わないようになっている。建設中の有名製薬会社工場の横を通り、さんごじゅ通りとすれ違うところにあるのが、宝山公園。
半分野球場で、その半分が、駐車場と広場。残りが壁のような山になっている。外周をぐるっと歩いたが、登り道がない。入れそうなところはあったが、とても道と呼べる状態じゃなかったし。この山に宝が埋まっているのかな(名前の由来が気になる)。
そろそろ駅に戻ろう。利根川方面に向かって、一直線に歩く。工場地帯を抜けると、綺麗な住宅街でほっとするが、国道124号線に合流すると、車でいっぱいに。いったい、どこに向かっているのだろう。
帰りの利根川大橋は、右側だけだが、ちゃんと歩行者用通路があったのでありがたいと思うが、片側相互通行という不吉な案内板も見える。ちょうど橋の真ん中で工事をしており、片道しか使えない。よりによって、歩道のある側とは…。右側が工事、左側は、一車線でトラックだらけ。距離以上に長く感じ、橋を渡り終えたときには、もう、へとへと。
国道356号線の、一本外側にある、静かな道を歩く。そろそろ駅かなと思い、国道に復帰したけれどハズレ。
線路の向こう側に鳥居が見えたので、なにかの縁と、寄り道する。ただ、鳥居の先がすぐ神社だと思っていたのに、実際は福祉総合センターの近くまで、山を登っていく道で、けっこうきつい。
浅間大神と書かれていたが、社はなく、小さな石碑みたいなものが置かれているだけ。放置されているようで、ちょっと寂しい。
ゆっくり山道を下り、下総橘駅でゴール(15時5分)。5時間半も歩いたのは、ひさびさかも。
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