7時55分、加須駅
駅の北側は発展しているのに、南側は素朴なところ。ちょっと南に進むだけで、一面田んぼの風景になる。でも2車線幅がある道路なのに、歩道が約半分弱占めているのはすごい。通学路なのかな、と思いきや、途中で舗装がなくなる。となりに一直線の大きな道路が建設中なので、もうすぐ統合されるのだろう。
上高柳というところで、用水路に当たる。騎西水と緑のふれあいロードと名前がついており、ちゃんと整備されているのはありがたい。少し離れて、駒形神社へ。説明板によると「応安八年(1375年)の史料にあることから、創建はかなり古いものと思われる」とのこと。上杉謙信が騎西城攻略のおり、亡くなった愛馬を祀ったという説もあるそうで、読み物として楽しい。
やっていることは、あいかわらずの神社めぐりなのだけれどね。最近は静かな休日の朝、神社を見るだけでほっとしてしまう。信仰心があるわけでもなく、古びた建物を見るのが好きなのだと思う。
小学校横を歩いて、八坂神社へ。大きな道路に面した、うるさいところだが、鳥居に平行して入口に地蔵や石碑が並んでいるのが変わっている。敷地内を守っているみたい。
続いて、5分で諏訪神社へ。土地の関係か最後で参道がカーブしているので、鳥居から一直線でなく、ずれた位置になっている。獅子は両方とも、まりを持っている。なにか決まりごとがあるのかな。
ここは諏訪陣社といって創建は不明だが、豊作を司る神として崇敬されているそうで、明治四十年には伊豆社と雷電社が合祀されたとのこと。正行信山の四十五度の富士登山を祝った記念として、正講先達富士登山成就記念碑もある。誰やねん?と思うが、神社に記念碑があるなんて、すごい山好きの人だったのだろうな。
舗装なしの道をしばらく歩いて、先ほどの用水路に合流。古宮公園へ。工場地帯の中にあったので気になっていたのだが、野球場メインでつまらない。
大道公園を経由して、玉敷公園・神社へ。茅葺き屋根の古い神楽(玉敷神社神楽)は、江戸時代初期まで遡るものであろうとの解説。戸隠しの舞の写真も一緒にある。あと、玉敷のイチョウ(町指定天然記念物)は町の木に制定され、樹齢は五百年だそうで。
でも目立つのは大きな藤棚で、戸室の岩山家にあったものを「騎西の町に観光資源を」と昭和八年に奉納されたもので、フジは町のシンボルとして親しまれているとのこと。なるほど。城山公園まで、ふじとあじさいの道が整備されており(歩道には、アーチ場の藤だながある)、ふじ棚の町として統一感がある。大きい神社なのに、素朴なところが良い。
帰りは正式な参道を歩いたが、公園からずいぶん離れてしまい、中途半端な位置に出てしまう。
ふじとあじさいの道は中止、民家の入り組んだ道を歩く。途中、駐車場つき公園に出てきたので、これが中央公園なのだろう。野球場の奥にはちゃんと広場もあり、広々しているが、全体が柵で覆われていて、出口がなかなか見つからず焦る。
あけっぱなしの扉から外へでると、すぐに騎西総合公園へ。体育館の西側が広場で、大きな池もあり、かるがもがたくさん泳いでいる。そして、池から流れる掘りのような川に沿って、木の道が一直線に続く。駅のホームにいるみたい。かるがもに、えさをあげている家族もいてのどかなところ。
幹線道路と合流すると、お城が近づいてくる。お城前には、萩原遺跡。縄文時代の遺跡で、住居跡が十一軒、甕や蒸し器、皿や須恵器が見つかっているとのこと。川越の時の鐘に似た時計があり、時刻は9時半。
老人福祉センターのとなりがお城で、いつ誰の手による築城かは不明だが、康正元年(1455年)上杉・長尾・庁鼻和氏が守る城を古河公方足利成氏が攻略したのが初見であるとのこと。38号線を渡った先には、立派な石垣があるが(騎西城土塁跡)、ここもお城の内部だったそうで、そう考えると、お城の大きさがわかる。住宅街の中に石垣だけ残っているのは、変な景色だが、石垣の向こうにお城が見えるので絵になる。
さらに東へ歩くが、障子堀跡(堀の中に畝(うね)を、堀の残し敵の侵入を阻害いるもので畝堀とも呼ばれている)、的場の跡(城があった頃、騎兵が弓矢や火縄銃の鍛錬をしていた場所)や、大手門跡までもあり、実はもっと大きかったのだと判明。
次の目的地、前玉神社には9時45分に到着。前玉姫命を主祭神として、幸いをもたらす神として崇敬されており、獅子はまりタイプ。
最初の駒形神社神社から、とにかく解説が多い。文体からして、同じ人が書いたのだと思うが、よく、これだけの解説板を作ったものだ。HP(きさい散歩道)も充実しているし、騎西教育委員会はえらいっ!
ここで北上。町の中心部から離れ、田んぼが広がる、のどかな景気になる。途中、川があるが、橋の名前は城下橋。
人形とこいのぼりの看板を越え、諏訪神社に向かって一直線。最初の用水路に戻ってきたのだが、こちらが側はずっと、柵があり渡れない。町が分断されているよー。
途中の古い民家で柿たくさんみかける。少し前まで暑くて参っていたのに、もう秋なんだな。結局遠回りして、10時5分に諏訪神社へ。茶色の素朴な神社だが、現社殿は文久二年(1862年)の再建で、主祭神は武御名方命で、農耕の守護神として崇敬されているらしい。
鎌どっかえという特殊な行事(神社から頂いた鎌 割り箸の先に、諏訪神社と書いた経木を付けたもの を持ち寄り新しい鎌と取り替える)があるそうだが、そんなに賑わうようなところには見えない。一度見てみたいものです。獅子は子供つきのパターンだが、その子供がちいさなまりを持っている。おおっ、子供とまりの合わせ技。
用水路を渡れなかったので来た道を引きかえし、続いて、八坂神社へ。緑屋根に綺麗な木がまぶしい、新しい神社。
きれいなコスモス畑を見ながら、東にずっと歩き、下側から、はなさき水上公園へ。前にパスしたところだが、ようやく来ることができた。
想像どおりの運動公園だが、なにかの大会なのか、学生がいっぱいで落ち着かない。練習なのか、外周をマラソンしているグループもいる。中に入りにくいところだが、交差点ごとに、旗もちの方がいて、近づくと、マラソンを止めて交通整理をしてくれる。感心するが、止めるのが悪い気がする。ありがたく、走って抜ける。
結局、鯉の森(へんな名前)を通っただけで、公園の外周に出る。外周から、駅に向かう道がわからず、どんどん離れていくので、あぜ道を通ってなんとか復帰。
いろどり杜 水深という新しい住宅街前を通って、11時15分、花崎駅でゴール。
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