このゲームは私が買ったわけではなく、他の方からいただいたソフトです(ありがとうございます)。パッケージ上ではわかりませんが、遠い国の物語とサブタイトルがついているそうです。
ハードディスクにインストールできたり、BGMが26音源、86音源、MT、GSと選べたり、 すべてマウスに対応など、1993年では先進的ですね。
始めるまでは、面倒そうなゲームだなと思っていましたが、操作が快適なこともあり、結構夢中になりまして、こういうSRPGも面白いと実感しました。
このゲームは、ファイヤーエムブレムやラングリッサーなどでおなじみのシミュレーションロールプレイングゲームというジャンルです。途中でキャラクターが上位クラスにクラスチェンジできるのも、SRPGでの定番で、魅力のひとつですね。
世界全体が、ユニットを動かすマップになっており、ステージをクリアすると、同じマップでそのまま次のシナリオが始まる(行ける方向が変わったりする)というのは、珍しかったと思います。
戦闘シーンはスパロボ風に、ダイナミックにスクロールとアニメーションして、SD風のキャラクターがコミカルに動きます。このゲームに興味を持った半分以上の動機は可愛いキャラクターの戦闘アニメーションでして、雑誌でも大きく紹介されたのがこの部分でした。
また、マップ上のヘックスの線がないため、普通のRPGのようにすっきりした画面となっています。しかもフルスクリーンだし、ウインドウは半透明。なにかと画面右にパラメータを表示したい、今までのパソコンゲームとは違い、かなり家庭用ゲーム機を意識したつくりとなっています。
しかし、実際に遊んでみると、見た目だけではありませんでした。(見えない)マス目に沿って、6方向に行動可能。そしてキャラクターの行動力がすごい。道があると1画面以上も進むことができるのですよ。画面端にマウスを持っていくとスクロールできますし、そのスクロールも高速で、マウスを使ったゲームシステムは、家庭用ゲーム以上に快適です。
さらにオプションで、移動時のアニメーションをなくしたり、戦闘アニメーションを高速にできたり(アニメなしも可能)と、さらに高速化することも可能です。SRPGというと、少ない行動力のキャラクターをちまちまと動かしていくイメージがありましたが、快適な操作感と、マウスだけで画面がめまぐるしく変わるという気持ちよさがこのゲーム最大の特徴だと思います。
回復呪文を使っても経験値がもらえないため(昔のSRPGはこの仕様が多いですよね)、アリシアなどの僧侶系の場合、別のユニットで敵を瀕死状態にしてから、とどめを刺して経験値をもらう というのが基本的な攻略方法となります。でも、そこまで厳密に育て方を意識しなくても マップ終盤になると、敵が多数(無限)出てくる個所がありますので、そこで稼ぐのが正解だと思います。
あと、このゲームの特徴といえば、アイテムが全員に共通なこと。誰かがマップ上の町で買い物すれば、離れたユニットでもすぐに使えるという便利な仕様となっています。
しかも、アイテムはユニットの行動とは関係なく、1ターン中に何度でも使用可能です。武器を買うか、回復アイテムを買うか…と悩むと面白いのですが、お金は余りますので、アイテム優先でも問題ありません。いつでもセーブできますし、かなり初心者向けと言えるのではないでしょうか。頭を使わなくても進めることができるので、本当のSRPG好きな方には、手応えがないと思いますが、だらだらと遊ぶにはちょうどいいかな
ドラクエでいう、MPのパラメーターがないため、僧侶がいれば毎ターン回復が可能なのですが、それに合わせるようにマップ上の敵キャラも多く、少しずつ撃破していくゲームとなります。
この手のゲームの宿命なのでしょうけれど、見方は全員主要ユニットですので負け知らず。少数の見方キャラが、名も知らぬ大量の敵兵士を撃破していく犠牲のない戦いが、大戦略などのウォーシミュレーションと大きく違うところですね。
それでも、ボスクラスの敵は手応えのある強さです(終盤になるとボスクラスの敵に、主人公クラスのキャラクター以外は、一撃でやられたりします)。敵が砦にいると毎ターン体力が回復しますので、囲んで間接・直接攻撃でたこ殴りが基本戦略ですが、敵の攻撃で飛ばされたりするステージもありますので、ボスだけは油断できません。
出会ったキャラクターや、敵対していたキャラクターは今までの職務を放棄して、ゲーム時点では ほぼ無名のアーク(主人公)に協力し放浪の旅に参加するのでした。 自然とリーダーになってしまうのが、主人公の人徳なのでしょう、きっと。
今みると結構強引で、流されるようにお話は勝手に進んでいきます。でも、面白いのですよ。展開がなんとなく予想できても、先が気になって、つい次のマップへ行ってしまうのです。いろいろシリーズ化されたのも納得で昔のゲームだからといって、あなどれませんよ。
アークの幼馴染みのフェリオ姫がヒロインなのですが、最初にさらわれてしまうので、ずっと使っていたアリシア(村の僧侶)の方が好きでした。 ちょっと幼く見える、人形のような ほどよいSD化は今見てもいいですね。
このゲームは、山のようにシリーズが出たことでも有名です。大戦略の追加マップとは違い、シリーズごとに、いろいろ進化しているのですが、ぱっと見の画面が似ているので、あっ、また出している…と、この会社は同じようなゲームばかり出しているなと思ったものでした。
一度作ったシステムを使いまわして、少しずつ進化させ短期間でリリースしていく手法の成功例と言えるのではないでしょうか。
2012.01.14