前から遊んでみたかったゲームをようやく入手しました。嬉しくて徹夜で進めたものの、連休が終わって(タイムリミットで)ギブアップ。
サークの外伝として1990年にMSX版が発売。
人気のヒロイン、フレイさん(フレイア・シェルバーン)が主役で、 これまでのリアル路線とは異なり、SDチックなキャラクターに、コミカルなモンスターに、ストーリーとなっています。
そして、なんといっても、パッケージや右上に表示される、ここまひさんの描くフレイの可愛いイラストに一目惚れしました。雑誌の紹介を見て、これは買いだっ! とチェックしたものの、MSXだけでの発売。
魔道物語とあわせて、MSXユーザーが羨ましいと思った瞬間でした(PC98版は一年後に発売されました)。
魔物に囲まれていたところを、ラトク・カート(サークの主人公)に助けられたのが出逢いです。
その後のフレイさんは確かに好意的でしたが、実は一目惚れで、ラトクと一緒に旅がしたい一心で、魔導士学校で魔法を勉強。無事(?)卒業しましたが、ラトクは別の街に旅だっていました。でもあきらめないっ! 逢うために、魔物うごめく森を進みます。フレイは無事、ラトクに追いつくことができるでしょうか?
ラトク追っかけ少女で、ちょっとストーカーっぽいけれど、元気で可愛いフレイさんなら悪い気はしないでしょう。でも、すっかりドジっ娘になっちゃいました。魔法の修行なんて、赤ずきんチャチャを思いだすような失敗の数々。MSXの面影が感じられるアニメーション付きのコミカルなオープニングは、今見ても素晴らしいですね。BEEP音を使って、しゃべりますし(声はいまひとつ)。
サークでお馴染み、VRシステムが搭載されています。
イースのように2等身のキャラクターであれば、マップパーツに奥に表示する属性と、手前に表示する属性をあらかじめ設定しておけば良いですが、サークの3等身(頭・胴体・足)ですと、
①木の手前にいる場合は、木の幹(ラトクの頭部分)はキャラクターの後ろになります。
②木の後ろにいる場合は、木の幹(ラトクの足部分)はキャラクターの手前になります。
と、同じ木の幹のパーツでも状況によって、表示する順序を変える必要があります。また、キャラクターはジャンプしますので、高さも意識して処理しています。もちろん敵の攻撃も8ドット単位の空間で意識。こういう仕組みを、雑誌の広告で毎号解説していましたね。
今回のフレイでは、バージョン2として、背景のアニメーションや、多重スクロールも標準装備。まあ、元々キャラクターが丸っこいので違いはわかりにくいのですが、手前にいるのに、奥の敵の攻撃が頭部分に当たる理不尽さはなく、違和感なく自然に操作できるのは、アクションゲームとして、すばらしいものでした。
サークもアクションRPGでしたが、フレイは、よりアクションの度合いが強くなっています。
各ステージの最初に街があり、会話や買い物。敵がうようよいる道中を進むと、ステージボスがいるという構成で、フレイは杖(ロッド)から出るビームで敵を攻撃していきます。奇々怪界のような感じでしょうか…ジャンプもできますから、愛戦士ニコルや、ワルキューレの伝説の方が近いかも(古いゲームばかり)。
先のステージになると、浮遊床を次々と渡るシーンがあり、すっかりアクションゲームに。キーボードプレイでは、けっこう苦しめられます。しかも、敵からも弾を撃ってくるので(拡散弾の敵もいる)、シューティングゲームのように、避けたいのですが…普通の回避じゃ間に合わないことが多いので、タイミングよくジャンプして避けます。
もう一つの特徴は、溜め撃ちでしょうか。攻撃ボタンを押すとゲージが溜まって、満タンで打つとより強力な攻撃になります。攻撃範囲も広がるので、溜め打ち前提の難易度なのですが、敵や弾がうようよいる中、ジャンプアクションしながらの溜め打ちは、馴れないと難しいです。よく違う方向に打ってしまって、あまり爽快感はなかったです(下手だから)。マップ移動に対して、敵の数が多すぎるのかな?
もちろん伝統の(?)純粋な縦スクロールシューティングステージもあります。お馴染みのBGMは、やっぱり格好いいですね~。
HPはゲージだけではなく、右上のフレイさんの表情で表現。ダメージによって、ピースサインをしている元気なフレイさんから、真っ青でフラフラなフレイまで何段階もグラフィックが変わるのですよ。一番目立つのはここでしょうね。どのフレイさんも可愛いのです。
グラフィックだけではなく、セリフや行動でも魅力いっぱい。ギャグっぽいストーリーで、暴走するフレイさんの言動を楽しむゲームとして文句なしなのですが、これもサークの伝統か、難易度がめちゃ高いのです。ヴァリスと同じく、硬派なアクションギャルゲーとして、見事成立しています。
ゲームとは直接関係ないですが、後に、デスクトップのメイドさんシリーズで、 ここまひさんの絵に出逢ったときは懐かしく、嬉しかったです。
2009.08.01