ミュージックモードで音楽を聴いたついでに、再プレイしました。
この世界には、「ラ・メール」と「ル・シエール」という2つのラザニウム(魔力を持った鉱石)の大結晶かあります。で、ル・シエールを手に入れた邪悪なる者の力によって、ヴェスガロスの国は魔獣だらけになりました。
その時、魔法使い(師匠?)にフェティーシア姫からの願いが届いたのです。「私の国を救ってください。お願いします…早く…」
わしは、この通りの老いぼれじゃ。アランよ、わしの代わりにこの国を救うのじゃ。こうして、アラン(主人公)は、ヴェスガロスの国へ向かったのでした。
テンキーで移動、メニューは0(ゼロ)で、会話は人とぶつかるだけ。簡単操作ですので、RPGをプレイしたことのある方でしたら、まったく説明書を読まなくても、進めることができるでしょう。どこでもセーブ可能です。
当時からドラクエっぽいなぁと思っていましたが、パソコンゲーム特有の難しいシステムをなくし、カナキーで高速モードにしているとサクサク進んでいくこの操作感は、今でも快適です。移動速度が速いのがいいですね。
ドラクエと違うのは、町や洞窟で画面が切り替わるのではなく、画面全体が1つのマップになっていること。マザーやヘラクレス1の感じですね。部屋に入っても、部屋の中だけの画面にならないですし、建物の大きさが部屋の広さですので、小屋に入ったら、中は巨大迷路だった…なんてことはないので安心です。階層のある建物の表現(どんどん高層に上っていると実感できる)は、今でも通用するのではないでしょうか。
ラ・ヴァルーを語る上で、避けては通れないのが戦闘ですね。
主人公1人vs敵は同一種類1~3匹の戦闘で、これまたドラクエ1のようなコマンド入力型の安心感。一度敵を読み込むと、エリアが変わるまでは、ディスクの読み込みはなくなるのは、評価できると思います。必ず主人公から攻撃。次いで、敵A,敵B,敵Cとターンが進むのではなく、敵の攻撃は3体分まとめて、1回で表現。
実に快適なのですが、問題なのは敵が強いこと。主人公はレベル1のときにHPは200あります。森エリアの敵からのダメージは1体20くらいかな。2回の攻撃で倒せるとして、敵が3体出てくると、受けるダメージは、60+40+40+20+20=180ダメージ。戦闘では敵の数が重要な要素と再認識させてくれますね。
戦闘システムの特徴は、攻撃方法に「斬る」「突く」「叩く」と3種類あることです。武器も大きく3つに分類されていて、武器それぞれに、斬る・突く・叩くの攻撃力が設定されています(例:バトルアックス 8・1・16)。
敵には、それぞれ攻撃の弱点があり、敵にあわせて、武器を持ち変えて、弱点の攻撃方法で攻撃していきます(実際は武器を持ち変えなくても、弱点の攻撃方法を選べばなんとかなりますけれど)。木の敵は切る。鎧は突く、骨は叩くといった感じかな。
主人公側は必ず先制攻撃ですので、1体を倒して、敵の数を少なくするのが重要です。敵が3体でてきたときに攻撃方法を間違えると、それだけで勝てる可能性がなくなり、逃げきることを祈るのみ…なんてこともあり、油断は禁物です。というわけで、ザコ戦でもまったく気が抜けません。毎回戦闘後にHPを回復する気持ちで進めた方がいいでしょう。
回復アイテムが10個単位で売っているのを見ると、このゲームバランスは、製作者側で想定しているようですね。確かにレベルが上がると強くなったと実感できますが、最高レベルは20でHPは960(レベル1の5倍弱)。終盤は200ダメージ受けることもあるので、相変わらずザコ敵は命がけです。Ysのようなアクションゲームじゃないのに、途中でレベルがMAXになるのは、ひどいと思います。
でも、もともと特徴のないゲームの特徴として語りつがれていますし、難しくても、ちゃんとクリアできるのですから、今となっては、これもありかなぁと思っています。
冒険の途中で、主人公はさまざまな魔法使いから魔法を教わります。試練として、アイテム(指輪、本など)を5種類手にいれることが条件です。アイテムは各7種類あり、そのうちの5つを取ってくると、その組み合わせにあわせた魔法を覚えることができます。
5種類しか持つことが出来ず、冒険の途中で6種類目のアイテムを見つけると(律儀に)別のアイテムと交換することも可能。PCエンジン版ですと、全部手に入れられるようですね。教わる魔法使いが見つけられない時は、宝箱にカギがかかっているのが、結構ストレスですので、まずは、なんとしても魔法使いを見つけてください。
便利なのは、回復魔法の「シリアルヘルズ(本)」。 これさあえれば、なんとかなる「ブリザード(巻物)」でしょうか。でも、このゲームをプレイするからには、「クレアボヤンズ(壺)」の魔法はぜひ手にいれたいところですね ショーノ・サラバン・ロール・レアチス・モンゴル(ケーキの名前?)の組み合わせでOKです。
肝心のストーリーですが、これは今では通用しないでしょう。行く先々で困っている人にお願いされ、達成すると、もうその町では金輪際事件は起こらない。駅のように町を通過していくので、よくいえば昔のRPGを追体験できます。
見知らぬ冒険者(主人公)に頼りすぎでしょう。そういえば、姫の助けて思念を受けて冒険をはじめているので、スタート時から頼られっぱなしです。次に問題が起きたら、こんな町は滅んじゃうのは確実です。
一方で、いろいろ凝っているところもあります。
…などゲームを楽しませようとする仕組みはたくさんあるんですよね。いろいろな世界を冒険しているという気分になれます。画面上はなにもなくても、いきどまりに行くとイベントが発生する場合があるので、マップは隅々まで歩きましょう。
マップが意地悪なので、ストーリーはどうでもよくて、先に進みたいために、ついつい熱中してしまう不思議なゲームでした。
そもそも、これを買ったのは、画面右にいるお姫様が可愛かったからという理由でした
主人公の活躍を見守っている…ようには見えないのですが、どういうシチュエーションなんでしょうか。画面右にいるお姫様をずっと見ているのですから、ようやく会えたときは嬉しかったですね。
でも、活躍しないんですよ。お姫様をもっと早くから、登場させてほしかったです。
2010.08.20