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2008.11.11

番外編13:アドベンチャーツクール

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アドベンチャーツクールアスキーから発売されました書籍のツクールシリーズは、ここから始まりました。

アドペンチャーゲームというと、ポートピアや、オホーツクに消ゆなどのコマンド選択が思い浮かびますが、これは、どちらかというとMYSTタイプのクリック冒険型に向いています。このギャップを埋められないと、制作するのはきついでしょう。

 
アドベンチャーツクール98

アドベンチャーツクール98

HyperCard風

基本的な制作方法としましては、1枚絵を読みこみ、テキスト枠を設定(パワーポイントのテキスト枠にイメージが似ています)し、文章を書くことができます。

また、ボタンを設定することができ、ボタンを押した時の動作を設定。指定したテキスト枠に、文章を表示したり、別の絵を表示するなど、BASIC感覚のスプリクトで記述します。フラグを設定したり、IF文による条件分岐ももちろん可能。

ボタンを押されない限りは動作しませんので、オブジェクト思考プロクラミングでしょうか?

ボタンの場所は、Webページでクリッカブルマップを作成(今は見かけませんが…)する感覚です。これら一連の、ボタンのかたまりをカードとして保存。別のカードとリンクさせることで、場面移動させストーリーを進行させていきます。

 

 
女帝の肖像
愛の19番ホール番外編
ナムずきん
オホーツクに消ゆ(東京編)
MINDY TALK

コマンド選択にしたいなら

ボタンの処理をうまく使えば、1つのカードだけでも作成は可能だと思いますが、同じボタンを何度も押すことになり、状況によって多数のフラグを判定する必要があり、スプリクトが長くなります。

逆に、同じ絵でもカードを変えることによって、ボタン情報を新しく設定できるので、こちらが楽かもしれません(絵が同じなので混乱しますが…)

長々と書きましたが、基本はボタンを押す操作ですので、「はなす」のボタンを押した時、「Aさん」、「Bさん」と選択。「みせる」のボタンを押した時、「写真」「警察手帳」など、アドベンチャーでは必須の階層型コマンドにどう対応させるかが、大きな課題になります。

ファミコン感覚で、他のコマンドを消して、同じボタンでフラグにより判定させるか、階層用の別カードにするか、透明なボタンを作成し条件によって押させるようにするか…

とにかく、その場の直感、思いつきだけでは、バグだらけになることでしょう。

BGMは流用可能

BGMは26種類。

さまざまなアドベンチャーに対応できるように、おしゃれな音楽や、かっこいい音楽が多いです。このファイルは、バカスカウォーズと互換性があるので、コピーすると、おしゃれなシューティングゲームになります。これだけでも、買った甲斐がありました。

テキスト枠はいまひとつ

テキスト枠には、枠よりもたくさんの文章を書くことができます。あふれた場合には、設定によりますが△と▽印が出て、そこをクリックすると文章が1行ずつスクロールします。Webの更新履歴を書くような、テキストボックスと似たような感じですね。

バックログも見られるし、いい機能っぽいですが、実際は「なんでわざわざ、▽をクリックして1行ずつスクロールしなければダメなんだ」と、場面場面で▽が出ると、ゲームをやっている気分ではなくなります(読む気力がなくなります)。

最初は、グラフィック全体にテキスト枠を作成し、文章を流し込めばビジュアルノベルっぽいのも作れるかも…と思いましたが、おすすめできません。

 

ロックマンを意識 縮小表示はアニメーション

変数でアニメーション

操作練習画面

敵キャラに遭遇!

楽しいサンプルゲーム

サンプルとして、5作品が収録されていますが、どれも一風変わったものばかりです。

○女帝の肖像

パソコン黎明期のアドベンチャーっぽい雰囲気。結局は、必要アイテムを順番に取っていくのですが、読ませる文章と不気味な絵で引き込まれます。

○愛の19番ホール番外編

ログインで連載中だったコーナーの番外編を収録。選択肢によって分岐するマルチエンディングです。

○ナムずきん

内輪パロディーに走った作品。ログインの方が、仕事の合間(?)に趣味で制作したような手作り感でいっぱい。サービス精神旺盛で、情熱を感じることができます。

○オホーツクに消ゆ(東京編)

オホーツクに消ゆをアドベンチャーツクールで再現すると、こうなる! フラグ管理と、システム周りが凝っています。

○MINDY TALK

みんだ なおさんの部屋が表示され、部屋にある物をクリックすると、趣味・語りたいことが次々に表示されます。ディスクステーションの雰囲気で、クリックする楽しさがあります。一時期エデュメントソフトが流行になりましたが、アドベンチャーツクールは、こいういうソフトの制作に向いていると思います。

ツクール応募を目指して挫折

アドベンチャーを作るぞーと、張りきっていたのですが、コマンド選択の処理にいやになり、方針を大幅変更!

「グラフィックを一枚も使わずに作品を作る!」という、ひねくれた意外性でログインに応募しようと、パソコンゲームの合間に作っていました。BASICで作成中だった、アクション風ゲームをアドベンチャーツクールに移植。

覚悟していたとはいえ、一枚絵がまったくないので、どのカードを開いても真っ暗だし、毎回ライン文で、座標を指定して線を引いていく手間。座標を間違えるたびに、一体なにをやっているんだろう…とむなしくなって、途中で挫折しました。

どのツクールシリーズでも言えることですが、最初は、とにかく完成させることを目標に、あまり変なことをしないほうがいいですね。


2008.11.11
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