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2012.06.17

番外編20:ゲームを熱く語る本たち

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ダンボール箱を漁っていたら、パソコンやテレビゲーム関係の本が出てきたので、懐かしさのあまり突発的に紹介コーナーを作ってみました(といいつつ、ゲームに関係ない本もありますけれど…)。

電脳遊戯考(山下章)電脳遊戯考(山下章)

パソコン:遥かなるオーガスタ、信長の野望・戦国群雄伝、ヴェイグス、ドーム
 ファミコン:FFIII、マザー、キャプテン翼、桃太郎伝説、ドラクエIV,III …など

ベーシックマガジン(ベーマガ)は、パソコンプログラム掲載やパソコンゲームの紹介が主なのですが、突然F-ZEROの大特集をしたり、ストIIの記事を連載したりと不思議な雑誌でした。 みんなが自分のコーナーを持っていて、ライターの方が好き勝手にやっている感じで、俺を信じてコレを買え、といったコーナーもありましたね。

この中の「ホンキでPLAYホンネでREVIEW!!」は人気コーナーで、山下章さんが、ソフトのレビューはもちろん、ソフトの思想を分析したり、インターフェースの考察やこれからのRPGの進む道などを熱く語っています。

実際に各メーカーに出向いており、製作会社の様子やインタビュー、山下さんの意見への反論など、作り手側の声も伝えて多面的にとらえることができるのです。きちんと取材活動をしているレビュー記事というのは、今でも少ないのではないでしょうか。

  • ドラクエのとびらコマンド(体当たりで開けるのではなく、鍵をつかっていると実感させる)
  • FFの飛空艇(世界を旅して地図を覚えて欲しい、飛空艇の高速移動があればルーラの魔法はいらない)

と、 あえて親切にしないことも必要。という意見に、なるほどと思ったものです。

  • CD-ROMになるとアクセス軽減のため、データの置き方まで考える必要がある。でも、データ量が多いから解くのが大変ではなく、多いから面白い作品を目指して欲しい。
  • 2Dと3Dの融合システム「ポリシス」は、ゴルフゲームだけではなく、今までの3Dダンジョンと違った、リアルな3D空間を歩けるRPGに応用できるのでは?

といった感じで、真剣にゲームの可能性を考察しており読み応えがあります。

読者からの投稿コーナーも真面目なのものが多く(実現すれば面白そうなのもあり)、ゲームへの情熱を感じることができ、今読んでも面白いです。

ハマッた!(三遊亭円丈)ハマった!(三遊亭円丈)

円丈のドラゴンスレイヤー1 シミュレーションゲーム編
信長の野望・全国版、戦国群雄伝・武将風雲禄、天下統一、HARAKIRI、三国志III、パイレーツ、大航海時代、大戦略シリーズ、シムシティなど

雑誌ポプコムで連載していた人気のコーナーから、シミュレーションゲームの記載を集めたものです。

ポプコムは毎月は買っていなかったですし(PC98のプログラムソースが載っている時だけ)、記憶もあいまいですが、コーナーの主体はRPGでした。でも日本のゲームはアニメだのなんだの、イベントばかりやっているからしょーもないと、RPGがつまらなくなってきたので、次第にシミュレーションゲームの話題が増えていったように思います。

一応はゲームレビューの形式となっていますが、実際は円丈さんが毎月遊んだゲームを紹介するコーナーでした。気に入ったゲームがあったら難易度を変えつつ、何回もやり込むので「また同じゲームの話題が続いているよ」と思いつつ、文章は面白いので、このゲーム愛されているなぁと楽しく読んでいました。反面、合わない・つまらないゲームは1回限りでけっこう毒舌なこともあります。

上がりのないすごろく(終わりのないゲーム)は好きではない……ということで、シムシティやAIIIは合わなかったのだと思いますが、円丈さんはマニュアルを読まずに遊ぶので、それで苦労しています。でも読み返してみると、マニュアルを読まなくても遊べることは重要ですね。

大航海時代なんて、もうちょっと遊べば面白くなってくるのになぁ……と思ったものですが、船の移動が大変(移動の度に方向指定が必要で)RPGを意識しているわりには、各街の情報がないとか、街の交易の価格を紙にメモしていく必要があるという不満点を語っています。ゲームというのは、ゲームバランス以前に快適なインターフェースが重要なんだなぁと再認識しました。

  • 戦いが終わってからも、買い物が1ターンに一人一回しかできない(FE)
  • 索敵しても敵なのか中立国なのかわからない(大戦略III)

などなど、円丈さん独特の文章で毒舌に見えますが、なぜつまらないと感じたかがきちんと書かれているので、読んでいて納得できるものでした。続編になるにつれて、細かくなっていき、一回のプレイ時間が長くなっていき、手軽に遊べないとか、光栄は14800円という価格だが、10回遊べるので高くはないという持論も好きです。

イマイチ君の理由なき探検(綱島理友)イマイチ君の理由なき探検(綱島理友)

怪奇・謎のカミナリ風呂、都電荒川線遺跡発掘の旅、恐怖のレトロゾーン、魔の東京タワー探検記、近所のミステリーゾーン、ビデオショップ「ポチ」の謎 など

これは、ゲーム本ですらないです  

  • カミナリ風呂というCMを見て、カミナリ風呂とはなにか? といろいろな仮説をたてて、現地に行くお話
  • レンタルビデオなのに、新品のようにセロファンの透明カバーがついていて、あける時にビリビリってはがすのが快感だけど、店員が毎回つけているのか? 

など、身近なところにも、なにげない発見があるという切り口で語られており、読み物としてとても面白いのです。 そもそも、パソコン雑誌であるポプコムに連載されていたのも不思議ですね。都電とか、東京タワーの訪問記は連載時(1986年)もレトロでいいなぁと思っていました。

でもすっかり忘れていまして、その後上京したときに、このコーナーを思い出して行ってみました。本で読んだのと変わってないんだなぁ……と感心すると同時に、当時、ポプコムを読んでいた頃を思い出し、涙がでそうになるほどの懐かしさを体感しました。

ファミコン10年!(GAME PAPA編著)ファミコン10年!(GAME PAPA編著)

もうすぐファミコン30年ですか……年をとったものです。これは、ファミコンが発売されて10年を記念して書かれた本です。

当時レトロゲームというと、初期からスーパーマリオあたりのアクションや有名RPGが主で、マイナーなゲーム達の紹介が本として発売されるのはほとんどありませんでした。 この本はファミコン発売から終焉まで、思い入れのあるソフトを紹介しながら振り返っています。

TVゲーム黎明期、 サードパーティの参戦、猫も杓子もRPG、ライバル機の登場(PCE、MD)、東宝・学研・イマジニア(ミサワホーム)などの異業種参入、ポケットザウルス・ゾイド・ミニ四駆といった相乗りソフト、 抱き合わせソフト、ハッカーインターナショナルと当時の様子を解説しながら、いくつかのソフトをピックアップして紹介しています。

子猫物語・マグマックス・消えたプリンセス・ゾンビハンター・シルヴィアーナ・リサの妖精伝説・ココナワールド・地底大陸オルドーラなど、マニアックなソフトが含まれているのがうれしいです。なかなかツボをついているなぁ、というラインナップで、私が好きなアフターバーナー、 暴れん坊天狗、ぼくドラキュラ君、アイドル八犬伝、ムーンクリスタル も取り上げられています。

特に、スーパーファミコン発売後の後期~末期ファミコンソフトが語られているのを読んでうれしくなりました(名作が多いのに、当時は注目されていなかったのですよ)。後期になると、ファミコンスプライトの性能からは考えられない多重スクロールなどの映像表現や、ファミコンの音とは思えない音楽など、 さまざまな工夫を感じることができるのですよ。また、開発者の思い入れや、世相の反映を感じることができて濃い内容のゲーム史紹介となっています。

ゲームマシンはデイジーデイジーの歌をうたうか(小野不由美)ゲームマシンはデイジーデイジーの歌をうたうか(小野不由美)

作家の小野不由美さんが本業の合間に楽しんだゲームのエッセイ集です。 ゲームに夢中な友人の話や、ゲームとは関係ないお話もあってなんでもあり。こんな軽い気持ちで読むことができる本も出るようになったのかと、時代を感じたものでした。

親切ソフトの功罪、カイカンの原理、年寄りのヒガミです……などなど、ゲームをプレイして感じたことを書いており、単なるゲームレビューではないのが特徴です。

  • ゲームをする負荷が最大限に軽減されている見えない技術(シレン)
  • 勝手に主人公が泣いたり笑ったりすと、自分がゲームの主人公に代わってレベルを上げるだけの戦闘メカになった気分になる(FF5)
  • ドラクエ4のラストは主人公が見た幻説
  • DQは見合い、FFは恋愛、メガテンは不倫

など、視点が面白いなぁと感心します。連載順に並んでいるので、最初はFF4といったRPGのお話でしたが、ストIIあたりから格闘ゲームにのめり込んでいく著者の過程がわかり、ライトゲーマ(?)も熱中してしまう、格闘ゲームって偉大だったんだなぁと改めて感じます(大ブームでしたからね)。

ゲームはとにかく時間を食いつぶすと言いながらも、本当にゲームを楽しんでいるんだなぁと、伝わってきますし、SFCから次世代機(PS,SS)へ移る当時の熱気を感じることができて、今読み返すととても懐かしくなります。

サイバー大魔王の襲撃(早川玄)サイバー大魔王の襲撃(早川玄)

パソコン通信を始めた頃に出会った本。パソコン通信を題材とした本なのですけれど、操作説明の解説はではなく、そこで活動している人を観察している本です。

  • ~くんの友人です。学校の同級生でしたと、学校の話になる。多くのメンバーが読んでいることが視野に入っていれば、共通の話として広がることもできるが、個人同士の話に終始している。
  • 書くことが目的。他のメンバーとは違うことを書かねばと、深く考えずに条件反射で「そんなの常識でしょ」と返答。「思い違いしてませんか」が「なに突拍子もないことを書いているの」になる。
  • 他人のメッセージは斜め読み。推敲を重ねて演説のような長いメッセージを書きつづけ、誰にも読まれなくなってしまった話。
  • 「よかった、よかった」「がんばって」「気をつけてねぇ」「もっと軽い話題で楽しい話をしましょ」と強要してくる。仲良しこよし症という、深く考えない人。

 

といった感じで、昔は困ったチャンと言われていたタイプの方々のお話です。意図的な嵐ではなく、善意のカタマリであるごく普通の人が無意識に行っており、慣れあいや仲間意識を持つと、一気に場が閉鎖的になるというお話が語られています。

会社の組織にも似たようなところがあるなぁと思いましたよ。パソコン通信のじょーしきという本に近いのですが、所々で、筒井康隆さんの鋭いコメントも入っていて、読み応えがあります。

 

これで、唐突に終わります。突発的に作ってしまったので、まとまりがなくてすみません。

2012.06.17

おまけ:一緒に出てきたCDシングルたち

 懐かしのCDS懐かしのポケラブ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2013.04.29追記

Falcom SOUND CATALOGについて、問い合わせがありましたので追記いたします。

PC-98版イースIII(WANDERERS FROM Ys)をファルコムの通信販売で購入すると、このCDシングルが付いてきました(1万枚は作られたようです)。内容はサウンドカタログの名前のとおり、いろいろなCDからの寄せ集めで曲の最後まで聴きたい場合は、元のCDアルバムを買ってね。という構成ですし新曲は1曲もなし。後のファルコムいっぱい特典攻撃を知っていると物足りないですね Falcom SOUND CATALOG

8DCH 89051 ファルコム サウンド・カタログ

INDEX
●ファルコム・スペシャルBOX'89 (K13X-23-41~6)
1.サラウンド・シアター"from YS & YSII" (K13X-23046)より抜粋)
  編曲:羽田健太郎・難波弘之 (声の出演):平野 文・玄田哲章他
2.ボーカル (K13X-23043)より「Josephine」
  作詞:フィリップ・H・ローズ/編曲:矢野立美/歌:森口博子

●ミュージック・フロム・イース (K30X-7701)より
3.FIRST STEP TOWARDS WARS (草原)
4.SEE YOU AGAIN (エンディングII)
  編曲:米光 亮

●ミュージック・フロム・イースII (K32X-7704)より
5.TO MAKE THE END OF BATTLE (タイトル)
6.PALACE OF SALMON (サルモンの神殿)
  編曲:難波弘之

●ソーサリアン~スーパー・アレンジ・バージョン~ (K32X-7123)より
7.呪われたオアシス (砂漠)
8.暗黒の魔道士 (ブルー・ドラゴン)
  編曲:難波弘之

●ソーサリアン・スーパー・アレンジ・バージョンII
プラス ソーサリアン・システムVol.1 (K32X-7708)より
9.BEAUTIFUL DAY (クリアBGM)
10.竪琴 (天の神々たち)
  編曲:難波弘之

●ソーサリアン・スーパー・アレンジ・バージョンIII (K30X-7711)より
11.雪の五条大橋 (織田信長の章) 編曲:難波弘之
12.Gash (魔の下僕ガッシュの陰謀) 編曲:岡田 徹

●ミュージック・フロム・スタートレーダー (276A 7702)より
13.出撃
14.STAR TRADER
  編曲:奥 慶一

●交響曲イース (K32X-7710)
15.第二楽章 より抜粋
  編曲:羽田健太郎

音楽:日本ファルコム ●ダイジェスト版につき全曲途中でF.O.してあります。

 

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