今回は、Melody(ぱんだはうす)作品です。 |
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さまざまな展開を見せるシナリオ1990年くらいから、オムニバス形式のゲームが各社から発売されていました。元祖はD.P.S.で、その後も、DOOR、IF…など一種のブームでしたよね。ひとつのゲームにさまざまなシナリオが入っていて、それぞれが選択肢によって、違った展開になるので、たいへんお買い得なゲームでした。 暗闇は、これらの進化系になるのでしょうか。クリスマスイブの夜、見知らぬ男女がエレベータに閉じ込められる。導入部分は共通で、選択肢によって各シナリオ(○○編)に分岐します。 ゲームクリアするたびに選択肢が増えていきますので、弟切草(チュンソフト)と同じ方式です。 ヒロインは3人ですが…主人公の名前は「まもる(変更可)」で、ヒロインは、
の3人です。……といっても、このゲームはオムニバスシナリオですので、同じ(まり)さんでも、ルートによって、役どころがまったく違います(主人公も同じことがいえます)。それぞれキャラクターの原画家さんは違うのですが、キャラクターの塗りが同じなので気にならないです(気づかないかも)。 理性を保って行動をダークなタイトルですので、鬼畜な内容に思えますが、魔がさすような行動にでない限りは、ほぼその手(18禁な)の展開にはなりません。期待していると、ものたりないかも 説明書には「理性を保ち行動しつづければ、それなりの見返りが期待できるでしょう。しかし、その見返りは、あなたの期待したほどのものとは限りませんし、得てして正直すぎる者は、何かと損をしてしまうのも事実です」と書かれています。冷静に脱出手段を考えるもよし。助けをおとなしく待つもよし。暗闇におびえる「彼女」をかばうも、欲望の赴くままに行動するも全て自由です。 シナリオが良いゲームなのですが、タイトルとパッケージでダークなイメージを持って、敬遠してしまう人もいるんじゃないかと思います(タイトルで損をしているゲーム)。 逆に割り切って、いろいろな選択肢を試すのも面白いのですけれどね。98ならではの400ライン、2画面スクロールのグラフィックはやっぱり迫力がありますよ。 すばらしいBGM作品にあった不気味な曲も多いのですが、出会いの時や過去語りのシーンなどの、情緒的でメロディアスな曲が多いのも特徴です。 音楽環境も凝っていまして、FM音源に加えて、MIDI音源(GS)も選ぶことができます。後にWindows95版が発売されるのですが、こちらはフルアレンジでさらにすばらしい出来ですよ。 元祖?「目」ホラーの要素もたくさんあるゲームなのですが、誰も立ち入らない暗闇の中には、人知を超えた悪意をもった存在が潜んでいる…… と、想像してしまうようなシナリオもあり、その時の演出が「目」です。 ディスプレイにいきなり、目が出るのですから! 最初に見たときは、部屋になにかが潜んでいるのではと思えるほどで、本当に怖かったです。 ひぐらしのなく頃にというゲームでも似たシーンがあるのですが、これは本当に心臓に悪いです(ホラー映画などでは、定番の手法なのかもしれませんが)。 発想に感嘆シナリオは、3ヒロイン3ルートの9種類(その中でもさらに分岐しますが)。ホラー、サスペンス、感動もの、ギャグっぽいもの、ちょっとしたトリックものなど、さまざまな展開になり、プレイするたびに新しい発見があります。 なにより凄いのが、舞台が全部2メートル四方のエレベータの中であること。この狭い密室空間の中だけで、すべてのお話が成立するのです。 こんな状況からでもバリエーション豊かなお話を生み出せる、シナリオライターってすごいなぁと思いました。 2も発売1998年に、続編の、暗闇2 ~閉ざされた迷宮~が発売されました。こちらは、地下鉄が舞台です。トンネルの崩壊によって閉じこめられ、前後の車両はめちゃくちゃになるなど、よりダイナミックなストーリー展開になっています。 「血の臭いが冷たい空間に満ちる時 暗闇で魔物が目を醒ます」というオープニングが好きですね。 相変わらず、音楽もすばらしいのです。Windows95/98用環境のある方は、こちらもお勧めします。 |
こちらがWindows95版です。互換性タブのディスプレイ設定で「256色で実行する」にチェックをつければWindowsXP環境で動きました(でも、動かなくても、責任はとれません)。